当日の“勝負”スイーツは…

 余談だが、本局はあまりにも考えることが多かったゆえ脳が糖分を要求し、不二家様のスイーツが弟弟子たちに大人気であった。皆、両対局者が頼んだものと同じものをいただいた。

 午前は、伊藤が「気分晴々キラリ!もちづき白桃のあじさいパフェ」、 斎藤が「ペコちゃんのツインほっぺ(シャンテリー&カスタードクリーム)」。

 午後は伊藤が「チョコまみれザ・ワールドケーキ(ブラジルコーヒー)」、斎藤が「昭和100年記念 思い出のファッションケーキ 1970'sクレープのパニエ」。

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「チョコまみれザ・ワールドケーキ」(右)と「昭和100年記念 思い出のファッションケーキ 1970'sクレープのパニエ」(左)
「気分晴々キラリ!もちづき白桃のあじさいパフェ」(右)と「ペコちゃんのツインほっぺ(シャンテリー&カスタードクリーム)」(右)

 私も考えながらずーっとパソコン操作していたのでガス欠になり、同じスイーツを4つともいただいた。どれもとても美味しかった。10分しかない休憩中に、4つ目のケーキをいただいていると、高見がニヤニヤしながら「さすが兄弟子、食べ盛りですねえ」。うるさい、君たちと違って私には休みがないのだよ。

 伊藤は残り時間48分から39分近くを注ぎ込んで、じっと金を寄って銀を守る。斎藤が香を取れば、桂を交換してまた手番を渡す。おいおい終盤戦だぞ。いったい、何回手を渡すのだ? 凄まじい胆力だと皆感心する。ここで手番を得た斎藤はどう攻めるのか。高見は桂を打つといい、佐々木は歩を打つと主張する。2人の表情は対局さながらで、負けるものか、伊藤にも斎藤にも読み勝ってやると、顔に書いてあるようであった。

対局はいよいよクライマックスへ…と思いきや

 対局開始から8時間半が過ぎた。ここで斎藤が最後の考慮に入ると見て、解説会の予定を変え10分の休憩を入れる。しかし、佐々木は対局の読みにのめり込んでいたようで、休憩中も解説会場から動かず、モニターの前で考え込んでいた。

 さあ最後は佐々木、高見、三枚堂の3人でノンストップの解説だ。斎藤が選んだのは玉頭に歩を打つ手で、予想が当たった佐々木が嬉しそうな顔をする。斎藤は持ち時間を使い切り1分将棋に突入。歩を成り、桂を打ち、寄せの網を絞っていくが、伊藤はじっと角を成ってまたも手を渡す。さてどうする。解説陣も対局者と同じ持ち時間で戦っている。