「ど変態募集」の求人を見て…

――会社に入られた後にキングオブコントですよね。

アンゴラ そうですね。入って7カ月めくらい。

――会社の人もビックリされたのでは。

ADVERTISEMENT

アンゴラ そうですね。でも、うちの会社そもそも「ど変態募集」って求人出してたんですよ。

――どういうことですか(笑)。

アンゴラ ベンチャー企業なので、そういう発想で環境を変えていける人を募集していたみたいです。就活中、私は素直に「実は働きながら芸人をやりたいと思っていて」と言っては落とされるのを繰り返していたんですけど、今の会社の「ど変態募集」を見て、「『芸人やりたいです』を『ど変態募集』が断るわけないだろう」と。

 

――ここにも戦略が。

アンゴラ 入社してからもメチャクチャ応援してくれて、キングオブコント後も「にゃんこスターって知ってます? うちの会社なんですよ」みたいに営業ツールとして活用してくれて。「広告費をかけないで社名を有名にしてくれてありがとう」って喜んでくれる。

もうひとつ仕事があるとことへの安心感

――これからもずっと兼業でやっていきたいとお考えですか。

アンゴラ そうですね。自分が芸人の仕事でちょっと金銭的に苦しくなっても、もう一個仕事があるということは精神的に安心を与えてくれますし。あと、会社もそういうふうに面白がって、新しい私の使い方に付き合ってくれるんです。もし私がもっと爆売れして一日も会社に行けなくなっても、名前を置いておくことがたぶん会社にとって広告になるので、そういうふうに恩返しできたらいいなと思います。

――男性芸人に比べて、女性芸人は早めに芸人キャリアに見切りをつける方が多いと聞きますが、アンゴラさんのような働き方が広まっていくと、もっと続けられる方も増えてくるような気がします。

80歳になって短パンで縄跳び跳んでたら面白い

アンゴラ そうですね。私、2019年に漫才協会に入ったんですけど、先日亡くなった(あずま)京太・ゆめ子のゆめ子師匠がすごくかわいがってくださって。

 東京太・ゆめ子師匠を見て、年齢とキャリアを重ねた80歳の漫才がめちゃくちゃ面白いことを思い知りました。これはすごく尊敬している上で、京太師匠のボケがボケか本当なのか分からなくて、お二人のご夫婦の関係も漫才になっていて、人生の全てを笑いにする姿がすごくかっこよかった。

 師匠の舞台を見て、私が80歳になってパフスリーブと短パンで縄跳び跳んでたら面白い気がするって思ったんです。