そうした思いがあったからだろうか、自分ががんの診断を受けたときも、心に自然と浮かんだのは「それなら、これからどう生きるのか」という問いだった。
そんななか、治療をスタートさせるにあたり、彼女が一貫してこだわり、発信し続けたのが「標準治療」への徹底した信頼だった。辰夫さんやがんを経験した親族が一様に標準治療を受け、社会復帰をしていく姿をこれまで何度も見てきたからだ。
無数の“善意”が寄せられた
「芸能界で生きていると、病気を公表したとたんに『この水でがんが治った』『特別な治療法がある』みたいな無数の『善意』が寄せられるんです。私のところにも事務所に謎の液体や本、『聴くと治る曲』まで送られてきました。心が弱っているときって、そうしたものが魅力的な救いに見えてしまう。だから、『標準治療以外には頼らない』というメッセージを敢えて強調して発信したんです」
※本記事の全文(4500字)は「文藝春秋」2026年4月号、および月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(梅宮アンナ「【乳がん】がん家系だからこそ『標準治療』のメッセージ」)。
短期集中連載 【前編】 がんで生まれ変わった10人 稲泉連(ノンフィクション作家)

大腸がん
「打てば忘れる。でも、消せない不安がある」
原口文仁(元阪神タイガース)

乳がん
「がん家系だからこそ『標準治療』のメッセージ」
梅宮アンナ(タレント)

胃がん・食道がん
「保釈直後の闘病が『あきらめない』の原点」
鈴木宗男(参議院議員)

膀胱がん
「病と向き合って竹下登の気持ちが分かった」
御厨貴(政治学者)

大腸がん・腎臓がん
「二度のがん、妻のがん死を経験した専門医の発見」
垣添忠生(日本対がん協会会長)
