Amazonの「音楽一般の本」部門ベストセラー1位に輝き、発売前に3刷になるなど、話題沸騰中の本『幸せな結末 大滝詠一ができるまで』。この本の著者である音楽評論家の萩原健太さんと、アルバム『Ring-a-Bell』(大滝詠一プロデュース)の30周年記念盤が好評発売中の渡辺満里奈さんが、大滝さんと過ごした思い出について語り合いました。POPの頂点を極めた大滝詠一さんの知られざる素顔とは?
※「文藝春秋PLUS」の公式YouTubeチャンネルで公開された動画から抜粋して作成した記事です。
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大滝さんの声が聞こえてくるような文章
萩原 91年に大滝さんが住んでいらっしゃった福生に3日間泊まり込みで、根こそぎいろんな話をしてもらったんですが、そのとき大滝さんから「これは死後公開だな」って言われて。その寝かしっぱなしにしていたインタビューを中心に『幸せな結末 大滝詠一ができるまで』という本を書いたんです。
渡辺 読ませていただきました。大滝さんの声が聞こえてくるような文章で、素晴らしかったです。大滝さんが話すと、すぐに健太さんが「あ、それは何々のこれこれですね」って応えていて、「このふたり何者!?」って(笑)。「歴史を残しておかないといけない」みたいな思いがあって書かれたんですか?
萩原 今回書こうと思ったのは、大滝さんって確かにものすごい人なんだけど、亡くなってから……神格化って言葉は良くないけど、すごく立派な人のように崇められてる感じがありますよね。
渡辺 あまり表に出られなかった時期が長かったからかもしれませんね。
萩原 もちろん音づくりの面ではすごい才能を発揮した人なんだけど、人間的にめちゃくちゃなところも結構あるじゃない(笑)。その、くだらないことばっかり言ってる感じを残しておきたいなと思って。大滝さんはラジオだと、割と真面目な口調になっちゃうんですけど、普段僕らに対してざっくばらんに話しているときの口調をちゃんと残したいな、と。
渡辺 その膨大な知識量と膨大な情報量が勉強にもなるし、生い立ちからずっと話されてるので「なるほど、大滝さんの音楽ってこういうふうに作られていたんだ!」というのがよくわかりました。非常に面白かったです。
萩原 大滝さんのウィットにとんだ語り口が伝わるといいなと。
渡辺 はい。伝わってきました。
萩原 当時、インタビューしたときの音源の一部を聞いてみましょうか。中学生のとき修学旅行で岩手から東京に行って、デパートのレコード売り場に行く思い出話のあたりを。
~パソコンで音声をかける~
渡辺 テープ何本くらいあったんですか?
萩原 120分入るテープが二十何本。
渡辺 本がもっと書けますね。

