当時の自分の感覚がどれほど麻痺していたか
駅構内でベラルーシに入国してから撮影した写真の整理を始めた。スマホ、カメラ、ドローンで撮り溜めたすべての写真をバックアップする。バックアップ先は、GooglePhotosのクラウド上。カメラ、ドローンのデータは、マイクロSDカードをサブ端末のAndroidに差し替えてバックアップをしている。データ削除を求められたり、スリに遭ったりする可能性もないとはいえないので、海外鉄界隈ではバックアップへの備えが必要なのは常識だ。メイン端末は慣れ親しんだiPhoneを使っているが、Androidはこういうときに役に立つ。
これで万が一、警察に職質されて写真の削除を求められても安心だろう。午前7時30分頃、駅を出た私は、まだ夜が明けぬカリンコヴィチの町を、撮影スポットを目指して歩き始めた。
当時の自分の感覚がどれほど麻痺していたか、今ならわかる。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻後、ロシア、ウクライナ両国と国境を接するベラルーシは、外務省が公開している海外安全ホームページの「国・地域別情報」において、ほぼ全土が危険レベル3に引き上げられた。レベル3=「渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」。ウクライナの国境付近はレベル4=「退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」となっている。
冷静に考えて、行くべきではなかった。ただ、当時の私にとってそのような情報は他人事で、危機感はまったくなかった。なんとかなるだろうと軽く考えていた。浅はかだった。(つづく)
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