みんなが息を飲んだ、朝井さんの手相・タロットの結果
――実はこの収録の前に、占いのできる小社社員が、お二人の手相とタロットを見る、という一興がありました。ここからは、ぜひ大島真寿美さんにもお話に入っていただきます。
大島:すごかったですよね。お互いの手相が全然違うの。
朝井:私はいろんな線が多いんだよね。大島さんの手はちっちゃくて、しわが少ない。大人と子どもくらい違う(笑)。
大島:しわが少ないのは、脳みそのしわが少ないからだって言われて(笑)。で、私、運命線がないと言われたんです。
朝井:でも「M(の形のしわ)が両手に二つあるから、運命線はいらないくらい強運」って。
大島:よくわからなかったんだけど……「空気が読める人ですよ」って言われたんです。
朝井:それが意外でしたわ(笑)。「空気が読める」、そして「とても努力をしている」と言われていて、それを聞いたときの大島さんの顔ったら――強力な武器を得たような顔!
でも人間って、自分が見ている自分や自分が期待している自分を、照らし合わせたくなるものですよね。若いころって特に、安心したくて、答え合わせをしたいような気持ちがあると思うんです。私たちは今回、単に楽しく占いをしてもらったんだけど、大島さんは早速、占いでもらった言葉を武器にしています(笑)。
大島:そうかも(笑)。
朝井:私には金運の線そのものがないと言われました(笑)。「ここツルツルです、こっちもツルツルです」って言われながら、「貯金、ありません」ってつい答えたら「そうでしょうね、お金のことを全く考えてませんね」って。でも、私の両手、運命線が手首から指先まで両方しっかり通ってて「運だけで生きてますね」って。それも、はい、ってうなずいた(笑)。
大島:あと頭脳線と感情線が一緒になっていて、ロジカルよりも感覚派だって。
朝井:それも自覚があります(笑)。全くロジカルにものを考えられないので。おっしゃるとおり、って思いました。
大島:タロットは、切ったカードの中から自分で一枚引く形で占ってもらったのですが、なんと私は「エンペラー」のカードだったんですよ!
朝井:エンペラーって皇帝ですよ、無敵じゃないですか!
大島:「このまままどっしりと構えていれば大丈夫です」みたいな感じで占いが終わってしまって(笑)。
朝井:そのままでいらっしゃい、という(笑)。
大島:一方で朝井さんが引いたカードが……荒野の中でひとりたたずむ、黒っぽいマントの旅人みたいな絵で。
朝井:そう、死神に見えた。私、「明日死ぬんですか?」って思わず騒ぎました(笑)。
大島:そしたら見てくださっていた社員の方の指がカタカタカタ……って震えはじめて。
朝井:周りで見ていたスタッフも、みんな息を飲んでいましたよね。
大島:こちらから眺めていたら、まかてさんを囲む面々が「はっ」としているのがすごくリアルに見えて(笑)。どうやって収拾するんだろうと思いながら。
朝井:私、占いが示すものを言語化することこそが腕であり、とても難しいのだ……と、小説にも書いたんですよね。まさにそのありさまを目の前で見せていただきました。
大島:一生懸命言葉を探してくれていましたよね。
朝井:あのカードは「孤独……でも、乗り越える」という意味らしくて。ひとりで抱えちゃうから、もっと周囲に頼りなさい、と社員さんはおっしゃいました。たしかに、私が誰かに何かを相談するときはよほどのことで。当たってるわあ。
大島:小説家って基本的に孤独な仕事だから、朝井さんには近すぎるカードじゃないかと思いながら聞いていました。
朝井:孤独の上塗りですよね(笑)。でも孤独は嫌いではないんですよ。だからこうやって友人と会うと、おしゃべりが止まらなくて。昨晩、大島さんとご一緒してから、今日までずっとしゃべっているものね。