東京・恵比寿の「賛否両論」店主・笠原将弘さん(53)と、結婚を機に京都の料亭「菊乃井」の次期4代目となった元・商社マンの村田知晴さん(45)。愛のこもった食で人生のお悩みを解決する、“問答レシピ”形式で人気を博した「週刊文春」の連載「笠原将弘のご自愛めし ちゃんと食ってるか!?」の書籍化(文藝春秋刊)を機に、日本料理の世界で独自の道を歩むふたりの対談が実現しました。(全3回の1回目/つづきを読む

撮影 志水隆/文藝春秋

「サッポロ一番食べることあるんですか?」「はい、好きですね(笑)」

――1年ほど前、笠原さんによる「週刊文春」の連載「笠原将弘のご自愛めし ちゃんと食ってるか!?」が始まってすぐ、村田さんからメッセージをいただきました。「笠原さんの記事読みました。サッポロ一番を食べて、サウナに行きたくなりました」って。覚えていらっしゃいますか?

村田知晴さん(以下、村田) はい、メッセージしました。ただサッポロ一番だったかな、豚汁だった気がします。

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笠原将弘さん(以下、笠原) サッポロ一番食べることあるんですか?(うれしそうに)

村田 はい、好きですね(笑)。

――村田さんの好きな食べ物が、炊き立ての白ごはん、蕎麦、ラーメン。笠原さんも白ごはんと蕎麦とビールが好きだといつもおっしゃっていて、おふたりには共鳴する部分が多いのではないかと。それで、連載の書籍化のタイミングで、満を待してお集まりいただきました。

笠原 ありがとうございます。

村田 よろしくお願いします。

笠原 なんとお呼びしたらいいですか? 村田さんだと大将(「菊乃井」3代目の村田吉弘さん)と同じになっちゃうから、知晴さん?

村田 はい、恐縮です。

結婚を機にサラリーマンから料理人に転身した村田さん

笠原 知晴さんのインタビュー記事読みましたよ。まあ大変なことだらけじゃないですか。もともと東京でサラリーマンをされていて、結婚を機に料理人に転身して、しかも「菊乃井」も料亭もどんなものかわからずに入ったって。どうやって料理を習得していったんですか?

村田 なにもわからないので、いきなりは厨房に入らなかったんですよ。最初は下足番から。

笠原 大将から著書をいただいて、毎回読んでますけど、その話も書かれてました。

村田 えっ、書いてましたか。

笠原 「息子さんに下足番をやらせていいのか」って、まわりから怒られたとかね、そういうニュアンスのことがたしか書かれていましたよ。

 

村田 (下足番は)僕のほうからやりたいとお願いしました。最初の3年くらいやらせてもらって、それからいろいろな部署を担当して、最終的に厨房に入って料理を身につけていったんです。