「8年経ってもわけがわからない」

――判決後、何か変わりましたか?

「一切、変わってないです。弁護士さんを信じています」

――食事はどんなものを?

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「今日はパンの日、って言うんですか(笑)。パンと、かぼちゃのおぼろ煮、フルーツヨーグルトとチーズ、コーヒーが出ました」

――ちゃんと食べれていますか?

「あんまり……」

 最高裁の判決が出てからは、いままで以上に食欲がないという。

――心境は?

「わからない。表現ができない状態で、いま、私は自分の気持ちがわからない。で、なんか、ただ、判決の翌日以降に、友人や弁護団から励まされました。励まされたというか、弁護団が支えてくれてますので、それでちょっとありがたいと。で、いま、自分がどういう気持ちというのが表現できない状態ですね。なんか、もう早かったな、いろいろあって、急展開で。いま、毎日が、一日一日が大切なので、時間を無駄にすることのないように過ごしています」

――早かったというのは、いつから?

「弁論から判決までも早かったような感じがします」

――それは最高裁が始まってからのことですか?

「ていうか、これまでの8年間がなんか走馬灯のように思い出されるというか。8年経ってもわけがわからない」

――では判決後は、どんなことをして過ごされていますか?

「支援者に手紙を返したり、一度読んだ本を読み返したり、とにかく、ぼーっとする時間をなくそうと思っています」

――最近のお気に入りの本は?

「感動しました」

「弟と呼べるほどの支援者からさし入れてもらった『深夜特急』(沢木耕太郎著)と、『砂時計』(芦原妃名子著)ですね」

――面白いですか?

「感動しました」

 そう言うと、はにかんだ笑顔を見せた。

 そのはにかんだ笑顔の下には何があるのか。上田美由紀が最近のお気に入りだという少女漫画『砂時計』。舞台は山陰、島根県だ。その県庁所在地、松江市の郊外に構えられた松江刑務所が、彼女の現在の“棲家〞だ。おそらく、いま自分が置かれている状況と、漫画の舞台を重ねたのだろう。

――この8年間を振り返ると?

「ただ、もう早かったな、いろいろあって、急展開で」

――8年経たれても、自分のなかでまだ事件と向き合えていない、という……。

「なんか、いま、自分がどう考えているかを表現できないというか。本当に表現できないんです。これは正直な気持ちです。だからこの8年間の訴訟(裁判)を含めて、ちょっとわからない。どう説明していいのかがわからない」

――事件の真相は違う?