「お尻の穴を見せろ」

 新潟刑務所は、暴力団関係者や犯罪を何度も繰り返している者が入れられます。

 中では大きな組織に属している極道が幅を利かせているのですが、僕が耐えられなかったのがイジメです。

 雑居房では集団で生活するうえで、自然と並び順というか、力関係のようなものが生まれていきます。僕がいた雑居房は極道がほとんどだったのですが、ひとり堅気の受刑者がいました。彼は自ら進んでいじめられ役を買って出ていました。

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 食事をとられたり、お尻の穴を見せろと言われて見せてみたり……悲惨な目に遭いながらもその受刑者がヘラヘラと笑っている姿を見ていると、僕は無性に腹が立ってきました。彼にとっては刑務所で生き延びるための手段だったのかもしれませんが、意地も誇りもないその姿は、見るに堪えないものでした。

 僕はついに耐えられなくなって、部屋を出ることを決意します。そうして担当の先生(刑務官のこと)に無理を聞いてもらい、一人部屋の独居房に変えてもらいました。

 刑務所にいる間、妻は毎日手紙をくれました。