「安倍総理の後、小泉進次郎さんの前」が極めて重要
――安倍さんの後、小泉進次郎さんの前を務める方が極めて重要な役割を担うと。
石破 そう思います。その間は、誰がやっても何人やっても大変でしょうが、必要なことだと思っています。
小泉さんは2012年の総裁選でも、私を支持してくれたそうです。投票した後に「実は私は石破さんに入れたんだ」と言ってくれました。
――口止めを厳重にされたというふうに聞いています。
石破 それは分かりませんが、昨年は投票直前に「石破さんに入れる」と言ってくれました。つまり、「一緒に酒を飲んだから」とか、「自分のところに頻繁に挨拶に来たから」とか、そういうことで判断する人ではないということでしょうね。
小泉さんに限りませんが、この国をこれから担う議員たちがどう判断していくかというのも大切ですね。将来、自分が総理にならなければできないことがある、という判断をするのか。なにが国のためだと思うか。
「何を読んだらいいですか」進次郎さんのひと言
――定期的にお会いになって意見交換は今もされているんですか。
石破 個人的に誰にどう会って、というお話は差し控えさせていただきまして(笑)。
ただ、鮮烈に覚えているエピソードをご紹介します。自民党が野党時代、私が政調会長だったとき、移動する列車の中で2人だけになったことがありました。その時に小泉さんに「政調会長、税制について勉強したいんですけど、何を読んだらいいですか」と訊かれました。実は、国会議員からそんなふうに訊かれたのは初めてで、強く印象に残りました。むしろ、こちらからお薦めしてもあまり読んでもらえないことの方が多かったからです。たとえば防衛庁長官を拝命していた頃に、防衛関係の議員にいくつか推薦の本をお渡ししたことがありましたが、その後「読みましたよ」と言ってくれる人はいませんでした。けれども、小泉さんは自分で勉強する人なんですね。それもすごいことだと思います。
もちろん今後、政策について意見交換とか、そういうこともあるでしょうが、基本的にはまず自分でお考えになる人なんじゃないでしょうか。政策だけじゃなく、政局的なことについても、これから日本の国はどうあるべきか、ということを考えながら判断をするんだろうな、と思っています。
写真=松本輝一/文藝春秋
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