史上最高と言われる2019年のM-1。なぜあれほどの“神回”になったのか。出場した漫才師の連続インタビューでその答えに迫っていく。

 6番手で登場した見取り図は高得点を出すも、史上最高点のミルクボーイに抜かれる。ラストに登場し、斬新なスタイルで全国を驚かせたぺこぱのことをどう見ていたのだろうか?(全3回の3回目/#1#2へ)

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事前にぺこぱのことは知っていた?

――ミルクボーイがトップに立ち、残りはインディアンス、オズワルド、ぺこぱの3組になりました。どの組も、だいたい知っていたのですか。

リリー いや、ぺこぱさんは知らなかったですね。東京の他事務所なので。正直、オズワルドも吉本の東京所属なのであんまり見たことなかった。

盛山 インディアンスは大阪時代から一緒やったんで。

――インディアンスさんも、順番を待つことの過酷さを語っていました。

見取り図の盛山晋太郎(左、ツッコミ担当)とリリー(ボケ担当)

盛山 彼らはトップとか2番やったら、また、ぜんぜんちゃうかったと思います。元気いっぱいなので、めっちゃトップ向き。でもM-1のトップは、やっぱり不利やしな。嫌やろな。

リリー 僕ら、2018年にトップバッターを経験してつくづく思ったんですけど、緊張してるのは演者とお客さんだけではないんですよ。審査員の方々も絶対緊張してる。2019年のニューヨークのときも感じましたけど。なので、どうしても点は出にくくなる。

2019年は6番手で出場。649点と高得点だった見取り図 ©M-1グランプリ事務局

――それはあるでしょうね。

盛山 順番が全てとは言いませんが、やはり大きい。まあ、僕らはいちばんいいとも言える6番目でも最終決戦に残れなかったので、でかいことは言えないんですけども……。でもぺこぱの10番目というのも結果的に奇跡を呼びましたよね。

リリー ぺこぱが最初の方やったら、あそこまでウケたかどうか。

盛山 ぺこぱの「ノリ突っ込まない」と言われたツッコミは、僕らやからし蓮根とか、ちょっと口の悪いコンビの後やから、より際立ったんだと思います。めちゃめちゃ怒ってるツッコミが続いて、それが振りになってたんですよ。

リリー すんごい長い振りがあったから、あれだけ爆発した。僕も普通に笑ってましたから。

 

――リリーさんは、ぺこぱはどれくらいの点数が出ると思っていましたか。