「過去最高って言ってもいいのかもしれないですね。数年前なら誰が出ても優勝していたんじゃないか、というレベルの高さでした」
大会の締めに審査員のダウンタウン松本人志がこう語るほど、2019年のM-1は沸いた。では何がこの“神回”を作ったのか。出場した漫才師たちのインタビューから、その答えに迫っていく。
事前に決勝進出を決めていた9組中7組が初出場組という異例の大会。決勝経験コンビはかまいたちと見取り図だけだった。
これまでインタビューしたすゑひろがりずやインディアンスによると、見取り図が本番前、初出場組に声を掛けて雰囲気を明るくしていたという。その真意とは? (全3回の1回目/#2、#3へ)
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「行きの新幹線で2時間タバコ吸ってた」
――何人か他のコンビの方が、大会当日、楽屋で控えているときから盛山さんがものすごくムードを盛り上げてくれたと話していました。
盛山 盛り上げたというか、自分を鼓舞していたんです。いつもの自分でいたかったので、積極的に話しかけたり、ふざけたり、ヨッシャー!ってやってみたり。後輩が多かったんで、そういうこともしやすかったのだと思います。
――それは本番直前までですか?
盛山 そうですね。「今日の俺、めっちゃしゃべるな」と自覚しながら控えてました。単純に、緊張してたんでしょうね。他の人はそれを盛り上げてたと思ってくれたんですね。
――2018年M-1の決勝初出場のときは、行きの新大阪から品川までの新幹線内で、相当長いこと喫煙所にいたという話を聞きました。
盛山 いました、いました。2時間40分くらいの移動時間で、2時間は喫煙所にいたんちゃいますか。一服して戻ってきて、じゃあ、また吸いに行くかみたいな感じでしたから、マジで。新幹線の中だけで4箱ぐらい吸いましたね。
「M-1でも1組終わるたびに喫煙所行ってたわ」
――今回は?
盛山 2回目なんでトータル1時間ちょいで済みました。それでも、ずっと同じ喫煙ルームにいると怪しまれるので、ちょこちょこ移動しながら吸ってましたね。15号車で吸ったら、次は10号車にするかみたいな。
リリー そっちのほうが怪しいけど。爆弾仕掛けてるやつみたいに思われそう。
盛山 M-1でも、1組の出番が終わるたびに、おれ、喫煙所に行ってたわ。人のネタをあんまり見たくないというのもあって。めっちゃウケてたら嫌じゃないですか。
――基本的に見たくないものなんですね。
盛山 見たくないですね。特に賞レースのときは見ない。
リリー 僕は見てましたよ。
――たいていのコンビは他の演者のネタ中は、自分たちのネタ合わせをしていたと話していました。
盛山 僕らしてないですね。打ち合わせ程度のことはしましたが、壁の方を向いて、しっかりネタ合わせをやるみたいなことはしませんでした。
「決勝4番目のクジが引かれるときは震えてました」
――一昨年はトップバッターでしたが、今回は6番目でした。今回は待つ辛さも味わったのでは?