史上最高と言われる2019年のM-1。なぜあれほどの“神回”になったのか。出場した漫才師の連続インタビューでその答えに迫っていく。
前年はまさかの1番手で敗退した見取り図。2度目の決勝となった2019年は6番手で649点の高得点。暫定3位になるものの、その直後にミルクボーイが登場する――。(全3回の2回目/#1、#3へ)
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あこがれる漫才師はM-1チャンピオンの“あのコンビ”
――お2人はどうやってネタをつくっているんですか。
盛山 僕らは2人で話し合ってます。台本とかはありません。なので、昔つくったネタの中には2度とできないネタがいっぱいあるんです。台本がないので記憶に頼るしかないんですけど、思い出せないネタの方が多いので。
リリー 箇条書き程度のメモなら、たぶん探せば家にあると思うんですけど、そのメモをみても何のことかわからないと思います。
――そこは、あくまで自然なしゃべりを大事にしたいからなのですか。
盛山 いや、ずぼらなだけです。
――見取り図の漫才は、いわゆる「しゃべくり漫才」の王道なので、鮮度とかに左右されず、経験値がそのまま上積みされていく感じがしますよね。
盛山 そういう漫才師がいちばんカッコいいと思っているので。素の自分とネタにそこまで差がない漫才師にあこがれますね。
――難しいかもしれませんが、具体的に名前を挙げるとしたら。
リリー マジで選ぶの難しいんですけど、僕はやっぱりブラマヨ(ブラックマヨネーズ)さんはすげえと思いましたね。飛び道具のようなものは使わず、純粋に2人の個性と個性がぶつかり合う漫才ですから。05年のM-1優勝は完璧やなと思いました。
盛山 僕もブラマヨさんですね。人柄がそのまま出ている漫才なので。
「お昼、爆竹食べました!」の真相
――本番で、盛山さんが「群馬の伝説のホスト」と発するところで言葉が引っかかるシーンがありました。もう中盤を過ぎていましたが、その時点でも、普段の自分じゃないなみたいに感じていたのですか?