盛山 これです(実際に見せてくれる)。
――へえー。
盛山 ほんまは、はよ、ほどかないとダメなんですけど。
――ほどいちゃうんですか。
盛山 嘘になるんで。
――どなたかがM-1のときは緊張するから緩めにスーツを仕立てるという話を聞いたことがあります。
リリー ブラマヨの吉田(敬)さんですね。
――そういうものなんですか。
盛山 いや、僕はそこまで気にしません。でも今年、また決勝に出られたら、裾は直していきます。誰にも何も言われないようなプレーンなスーツにしますよ。
“あの兄さん”が肩をポンとして「お前らも、ようやったで」
――この大会のひとつのハイライト、7番目のミルクボーイのネタは、暫定順位ボックスから観ていたわけですね。
盛山 初めの「最後の晩御飯も~」のところでドッときたので、すぐに負けを悟りました。あそこでこれだけくるということは、後になればなるほどもっと笑いがくるのはわかっていたので。ネタは知っていましたから、これは余裕で抜かれるな、と。そうしたら、やっぱり、史上最高点(681点)のウケになりましたね。
リリー あのとき、舞台裏のリポーターは麒麟の川島(明)さんだったのですが、ミルクボーイがめちゃくちゃウケてるときに、もう(結果が)わかったんでしょうね、僕の肩をポンとしてくれて、「お前らも、ようやった」と。ちょっと感動しましたね。やさしい兄(にい)さんやな、と。
――楽屋に戻ってからは、他のコンビのネタを見る心の余裕は取り戻せましたか。
盛山 楽屋に戻ったら一瞬でただのM-1ファンに戻ります。数分前までガチガチやったのに。楽しくネタを見られる。まあ、僕は、ずっと喫煙所へ行ってましたけど。
――喫煙所でもモニター見られるんですね。
盛山 いや、見れないです。
リリー 言っとることとちゃうやん。
(【続き】見取り図が分析するM-1“神回”のワケ「ぺこぱ10番手が奇跡だった」 を読む)
写真=山元茂樹
見取り図/盛山晋太郎(ツッコミ担当)とリリー(ボケ担当)のコンビ。盛山は1986年1月9日大阪府出身。リリーは1984年6月2日岡山県出身。大阪NSC29期の同期で2007年結成。2018年オールザッツ漫才ネタバトル優勝。
M-1では09年、17年に準決勝進出、18年に初の決勝で9位。19年、2度目の決勝で5位に。
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