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2019年M-1・全員インタビュー なぜ“神回”になったか

見取り図が分析するM-1“神回”のワケ「ぺこぱ10番手が奇跡だった」

見取り図が分析するM-1“神回”のワケ「ぺこぱ10番手が奇跡だった」

漫才師・見取り図インタビュー#3

2020/03/29
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盛山 「鼻事件」ね……。ほんま、辛かったです。舞台やロケで鼻触ると「やっぱり触ってましたね」ってすぐマウント取られる。なので、直立不動で漫才したりもしたんですけど、そうすると汗もふけない。最初のひと月くらいは、めっちゃしんどかったです。

リリー ツイッターでまとめられたりもしてたよな。

盛山 そうそう。僕が鼻触ってる映像を全部まとめてるんです。意地悪な世の中ですよね。でもM-1の2カ月後くらいに塙さんと東京の番組で一緒になって「大丈夫だった?」と気にはしてくれてました。

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――かなり影響が出たわけですね。

盛山 というか、今もずっとです。今日も漫才中、意識しちゃいました。なので、もう、これからはめっちゃ触ろうかなと思ってます。ええやん、鼻触ってもって。漫才中、もっと気になる癖が出る人いっぱいおるじゃないですか。(ビート)たけしさんが首を後ろに半回転させる癖もそうですし。

リリー 触る人は触るでしょ。

盛山 舞台でも今は、わざと鼻のこととか言ってネタにしてます。結果、プラスになってる。

「今死んだら走馬灯の10ページ中4ページはM-1の場面」

――もう今年のM-1のことを考え始めてますか。

盛山 どうしても考えちゃいますよね。

 

――かまいたちの山内(健司)さんがテレビで、去年1年間を振り返って、M-1に取り憑かれたような1年やったという話をされていましたが、2人も、まさにこれから取り憑かれたような1年を過ごすわけですよね。そうまでさせるM-1の魔性というか、何なのだろうと思ってしまいます。

リリー 今までのM-1戦士が、カッコよすぎるからでしょうね。自分たちもそうなりたい。みんなそうじゃないですか。

――話をうかがって驚いたのは、2度目の出場でも、やっぱりそんなに緊張するもんなんですね、M-1の決勝という舞台は。

盛山 楽屋からスタジオへの動線とか、そういう物理的なことは把握していたので慣れてると言えば慣れてるんでしょうけど、メンタルの部分は初出場のときとぜんぜん変わらなかったですね。それは今年も同じ気持ちになると思いますし。

リリー ちゃんと決勝に行けたらな。

盛山 もし今死んだら、走馬灯の10ページ中4ページぐらいはM-1の場面になると思います。

 

(【前編】見取り図が語るM-1緊張のヒドさ「上京する新幹線で2時間タバコ吸ってた」 を読む)

写真=山元茂樹

見取り図/盛山晋太郎(ツッコミ担当)とリリー(ボケ担当)のコンビ。盛山は1986年1月9日大阪府出身。リリーは1984年6月2日岡山県出身。大阪NSC29期の同期で2007年結成。2018年オールザッツ漫才ネタバトル優勝。

M-1では09年、17年に準決勝進出、18年に初の決勝で9位。19年、2度目の決勝で5位に。

YouTubeで見取り図ディスカバリーチャンネル更新中(https://www.youtube.com/channel/UCkhPBkw9YwfvyMABLvsCIXg )

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