青空 自分でも(ネタに)入り切れていない感じでしたね。ずっと同じテンションだったというか、自分を俯瞰で見ているような、ちょっと冷めている自分がいました。
――何が違ったのでしょう。
青空 ytvのとき、僕らは6組中5番目で、3番目のコンビ(ネイビーズアフロ)がワッとウケたんですけど、お客さんは僕らが出てくるのを待ってくれてる感じがあった。もっとでっかい笑いを期待しているな、と。M-1のお客さんも温かいは温かかったんですけど、僕らは完全に追いかける立場じゃないですか。いちばん若いし、お客さんも「どんなコンビなんやろう」みたいな感じで待ってたんだと思います。正直、そういうお客さんに対する感じではいけていなかった。落ち着き過ぎていて、そつなく映っていたと思います。なので、めっちゃウケるわけでもないし、めっちゃスベるわけでもないという漫才になってしまった。
――NON STYLEの石田(明)さんは「2人とも、『こんなはずやないのに』という顔をしているように見えた」と話していましたが。
青空 今なら冷静に分析できますが、そんときは、ほんとにそんな感じでしたね。何があかんのやろ、と。
(【続き】からし蓮根が振り返るM-1 「カオスすぎた」上沼恵美子さん突然の“和牛説教事件” を読む)
写真=山元茂樹/文藝春秋
からし蓮根/杉本青空(ツッコミ担当)と伊織(ボケ担当)のコンビ。青空は1994年2月2日熊本県出身。伊織は1993年9月12日熊本県出身。九州学院高校(熊本市)の同級生で、大阪NSC(35期)へ。2013年結成。2019年ytv漫才新人賞優勝。
M-1では15年、16年に準々決勝進出、17年、18年に準決勝進出。19年に初の決勝進出で6位に。