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検察庁法改正案に至るまで

 政府は閣議決定のおかしさを批判されるとそのあと慌てて無理筋の解釈変更をし、それも炎上すると今度は後付けで法律そのものを変えようとしている。それが検察庁法改正案である。

 そこには現政権のこれまでの「手法」が垣間見える。

 安保法制でもあった“解釈”や、NHK人事にも見られた“お友達優遇”。モリカケ&桜を見る会でも顕著だった“公私混同”。そして「官邸の意向に合わせ、つじつま合わせに走る大臣や役所」(日刊スポーツ2月24日)はまさに“忖度”である。

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 言わば、今回の検察庁法改正案、黒川定年延長問題は「姑息の集大成」なのである。

 

 コロナ禍の今、国会で検察庁法改正案の審議が進められることに批判が集まるが、姑息だから当然なのである。ステイホームの我々に集大成を見せてくれているのだ。

最初のツイートを投稿した女性の声

 しかし、そんな振る舞いにはさすがにツッコミが飛んできた。

《ツイッター上では9日夜から10日朝にかけ「#(ハッシュタグ)検察庁法改正案に抗議します」という投稿が相次いだ。コロナ禍が続くなか成立を急ぐ姿勢にも反発が出て、リツイートも含め、その数は10日夜までに470万件を超えた。》(朝日新聞デジタル5月11日)

 この記事にはきっかけとなった人の言葉が紹介されている。

 8日夜に、ハッシュタグを含んだ最初のツイートを投稿したのは東京都内の会社員女性(35)。もともと政権に強い不満があったわけではないが、新型コロナウイルス騒ぎが見方を変えたという。

©iStock.com

「みんなが困っているのに対応できていない。そういう政府の思うままになったら危ないと思った」(朝日・同)

 ここで注目したいのは女性が政府のコロナ対応で思い知ったという点だ。

 そう、すべてつながっているのである。