松陰寺 僕はどうだろうな。くやしい感情が出ないぐらい、ミルクボーイさんがすご過ぎたな、と。あのミルクボーイさんに勝てる人、誰かいるのかな。今考えても思い浮かばないですよね。
「化粧してるやつがM-1で優勝しちゃダメ」
――私はおもしろいおもしろくないはもちろんですが、M-1はやっぱりミルクボーイを選ぶだろうなという気がしました。
松陰寺 まあ、そうでしょうね。僕らはたぶん優勝しちゃダメですね。化粧してるやつがM-1で優勝しちゃダメだと思います。
――宮藤官九郎さんがラジオで言っていたのですが、M-1の日、家に帰ったら家族にミルクボーイとぺこぱのネタを見せられて。で「どっちが優勝したと思う?」と聞かれて、ぺこぱと答えたらしいんです。家族もぺこぱ推しだったらしく。宮藤さんは分析として、ぺこぱの漫才は、漫才という枠組みを壊しちゃった笑いだから、M-1では勝てなかったのではと話していて。すごく納得しました。歴代、おもしろかったけど勝てなかったコンビは、結局、そういうことなのかなと。おもしろくても、漫才の大会である以上、漫才を壊し過ぎちゃいけないんでしょうね。
松陰寺 それ、わかります。M-1は、あんな変化球で優勝しちゃダメですよ。
――でも、その変化球を探し続けていたわけですもんね。その変化球を「新しい」とも言うわけじゃないですか。
松陰寺 関西のド直球な漫才にはかなわないですからね。それはそうなんですけど、どうであれ、今回はミルクボーイさんが1番だったというのは揺るぎないと思います。
あと3年、M-1の挑戦権がありますが、どうしますか?
――でも、いつか、漫才をぶっこわした漫才で優勝するコンビを見てみたい気はしますね。お2人は今後、M-1はどうされるのですか。あと3年、挑戦権がありますが。
松陰寺 今年、大会できるんですかね。あったとして、どうしようかな……。決勝に残るのって、めちゃくちゃいばらの道だから。なのに去年みたいにネタを劇場でかけられてないので。そんな簡単じゃないですからね。
――オードリーのように、ここまで売れたら、もう潔く身を引くという手もありますよね。