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「あの郵便受けなに……?」Kさんの自宅の異様な光景

「LINEは既読もつかないし、メールも返ってこないんだよ」

「あたしが電話してもまったく出てくれなかった……留守電何回も残したのに……」

  にわかにざわめきだす仲間、そして心配して駆けつけてくれたY先輩とT先輩らを見るうちに、Aさんの心中に申し訳なさがこみ上げてきた。

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「あいつの家は?  まだ誰も行ってないだろ?  行ってみるわ」

 そうAさんが切り出すと、みな同行を申し出てくれたという。

 そうして一行は、大学を後にしてKさんの住むアパートへ様子を見に行くことになったそうだ。

 彼の住む2階の部屋に続く外廊下に上がって来たとき、仲間内の一人の女性が悲鳴をあげた。

「あの郵便受けなに……?  もうやだ私……やだよ……」

 そう言って怯える彼女の視線の先、Kさんの部屋の郵便受けには、ビッチリと郵便物が詰まっていたのだそうだ。

 どうしても駆け巡る嫌な想像を振り払うように、Aさんは彼の部屋の前まで早足で進んでいく。そこでAさんは郵便物を間近で見て、鳥肌が立ったという。

©iStock.com

 ギチギチに詰め込まれた郵便物の宛名が、全部真っ黒のマジックでキレイに塗りつぶされていたのだそうだ。

妙に生活感のないKさんの部屋

「おい!  K!  いるかぁ!?」

 Aさんの叫びに応える声はない。みなが電話をかけても出ない。意を決してドアノブを掴むと、意外にも鍵がかかっていなかった。

 ギギッ……。

 恐る恐るドアを開け、部屋に入って行くと、意外にも中はキレイになっており、家具などはあるものの、妙に生活感がなかったそうだ。

「もう一回スマホ鳴らして?」

 Aさんがそう言って友人の女性に電話をかけてもらうも、部屋の中から着信音はしなかった。それどころか、財布などもなかったのだそうだ。

 すると、一人の友人が“ある物”を見つけた。

「なあ、これ……なんだ?」