ドイツでは不具合発見から2日で復旧
いわば、日本とドイツとでは「アプリにかける“本気度”が違う」(西田氏)。実際ドイツでは、アプリがうまく機能しているという。ドイツでの接触アプリの普及状況について現地在住のジャーナリスト、熊谷徹氏が語る。
「ドイツではアプリに対する国民の関心度と信頼度が日本に比べると高いです。こちらでも1月13日にアンドロイド版に不具合が発見されました。しかしわずか2日後には復旧しています。
アプリとしての機能も拡大されています。以前は古い機種のスマートフォンがアプリに対応していないことに不満の声が上がっていましたが、古い機種でもダウンロードできるようになりました。他にも毎日の感染状況をアプリで確認できる機能や、日記機能が追加されました。
これは、どこに行ったのか、誰と会ったのか等、自分の行動範囲を記録するものです。陽性になった場合には保健局にこの日記を任意で送信することができます。こうすることによって、より正確に陽性者と接触したかどうか通知することができます。実際に私の周囲でもアプリから通知を受け、検査の結果陽性であったことが判明した友人もいます。総じて、日本のアプリより『信頼度』は高いですね」
COCOAが機能するには、陽性の登録や通知の活用など利用者の協力が不可欠だ。現在のダウンロード数では効果は限られるとされる。さらにダウンロード数を増やすためには、まず何より今回失ったCOCOAへの「信頼」の回復が急務となる。果たして厚労省は今回の教訓を生かし、運用体制をアップデートすることができるか。重い課題が突き付けられている。
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