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いま囲碁界で起きている“人間とAI”の関係──「中国企業2強時代」「AIに2000連敗して人類最強へと成長」将棋界とは異なるAIとの向き合いかた

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genre : ライフ, 娯楽

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──はい。はい。

大橋:
 将棋は三駒関係で急速に強くなった後、様々な手法がありましたよね。囲碁は人間がいろいろ工夫してもうまくいかず、そこにディープラーイングが登場し、これがピッタリはまった。将棋ソフトとは別の道を歩いて行きましたよね。

──将棋ソフトはCPUを使っていましたが、囲碁はアルファ碁が登場した時からGPUを使っていたのですか?

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大橋:
 そうですね。ディープラーニングには一般的にはGPUを使います。でもアルファ碁はGoogleがAI向けにTPUというマシンを開発して。李世ドルさんと対戦したあたりではTPUを使っていましたね。しかしそのTPUはGoogleしか持っていないので……。

──GPUで代用したと。でも大橋先生はGPUを購入しようとしたら、アパートのアンペアが足りなかったんですよね(笑)。

大橋:
 そうそう! や、当時は引っ越したばかりで。それなのに足りないという……。

──また引っ越すわけにもいきませんしね(笑)。

大橋:
 当時はGTX1080Tiがトレンドだったんですけど、今も熱心な棋士はRTX2080Tiとかを使ってます。さらに今度はRTX3080とか3090とかが出始めて、みんなそれ買うのかなという状況ですね。

(画像は「GeForce RTX 3090」より)

──RTX3090はやねうら王の磯崎さんが購入を勧めてて、実際に水匠の杉村さんも買ってましたね。これで深層水匠を開発するんだと。ところで囲碁棋士の先生方は、ご自身でGPUを購入して動かす方が多いんですか?

大橋:
 これまでは、そういう人が多かったですね。

──藤井聡太先生は高性能のCPUを購入して、温度なども気にしながらご自宅で将棋ソフトを動かしているとインタビューで語っておられました。

大橋:
 おお……さすがですね!

──囲碁界でも、そういう方がいっぱいいると?

大橋:
 そうですね。若手は『2枚差しするか』みたいな話が好きですよね。

──高性能のGPUを2つに!? アンペアが足りるか心配になりますね……。

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