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──グロービス経営大学院で有名なあのグロービスが中心に開発した囲碁AIですね。囲碁AIの国際棋戦で準優勝した実績もあるほど強いとのことですが……ソフトのスペックが高いと、やはり動かすのも大金が必要に……?

大橋:
 とは言いつつも、適量で使えば大丈夫です。

──あれ!? 意外とお値打ち……。

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大橋:
 普段使いのは、1時間約100円のでやってますから。100時間勉強して1万円くらいですね。

──ハイスペックのマシンを購入した場合、へたすると電気代のほうが高くなっちゃうくらいですね?

大橋:
 そうですね。熱心な棋士だと冬は暖房代わりになるという伝説もあります。冗談はともかく、AIを使って研究する会を2年ぐらい前に立ち上げたんですが、みんな集まったときに4枚や8枚を使うというのも有力な一手です。

 一力遼さん(二冠+竜星、おかげ杯)や大西竜平君(七段)、上野愛咲美さん(女流二冠)らがよく来てくれます。

──上野先生、すごいですよねぇ……。インタビューを拝読したり、動画を拝見したりすると、失礼ながらかなり天然な感じがするというか……自分がどこまで勝ち上がってるのかわからないまま対局してたとか……。

大橋:
 上野さんと藤沢里菜さん(若鯉杯、女流四冠)は、本当に強いです! もう男女の区別はないようなもので、トップ棋士の迫力があります。これからもっと記録を作るんじゃないでしょうか。

──藤沢先生がお強いのは、お母様の教育などの記事を読むと『すごいな』と納得するんですよ。ただ、上野先生は……普通の家庭からハンマーを持った女の子がぽんと出てきたみたいというか……対局前に緊張をほぐすために鬼ごっこして体を温めたとか、ちょっと私がイメージするプロの世界とかけ離れてて……。

大橋:
 つい先日も対局前のルーティーン、縄跳び777回をして、女流棋聖を獲得しましたね。自然体なのが良いのかも……。

──上野先生は囲碁AIでの研究に非常に熱心で、AWSで囲碁AIを起動するための手順書をご自身で作られたとうかがっています。