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4、元祖・もう一つの「黒部ダム」
黒部(くろべ)ダムというと、多くの人は富山県にある黒部ダムを連想するだろう。富山県にある黒部ダムは、1963年に完成した高さ186mのダムだ。
しかし、ダムをこよなく愛する者たちからすれば、黒部ダムといえば栃木県にある黒部ダムを指す。栃木県の黒部ダムは、高さ約29mで、1912年に完成した日本初の発電専用コンクリート製ダムである。富山県の方のダムよりも51年も前に完成し、誕生からすでに109年も経過している長老ダムなのだ。由緒正しい歴史を持ちながら今も現役で働き続けているダムなので、ダムファンからしてみれば「黒部と言ったら栃木」という理由もご理解いただけるだろう。
このダムは東京電力が所有しており、関東圏へ電気を送り続けている。もしかしたらあなたの家の電気も、黒部ダムが作った電気かもしれない。