ホテル評論家として2021年の1年間でホテル・旅館に宿泊したのは約260泊。コロナ禍という状況で、「泊まってよかった」といえるホテルの条件は変化したのだろうか――。「1月~3月編」、「4月~6月編」、「7月~9月編」、「10月~12月編」と4回に分けてお届けするこの企画。今回は4月~6月編。

4月4日(日)LOQUAT 西伊豆(静岡県伊豆市)

https://loquat-nishiizu.jp/

LOQUAT 西伊豆(静岡県伊豆市)

 修善寺駅から送迎車で土肥の「LOQUAT(ロクワット)西伊豆」へ。300年の歴史を持つ屋敷をフルリノベーション。イタリアンダイニング、ジェラート&ベーカリー、宿泊施設が一体となっている。

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LOQUAT 西伊豆(静岡県伊豆市)

 露天風呂に大きなスペースを割いており、贅沢な空間に仕上がっている。またオールインクルーシブとなっており、ミニバーはワインなども含め何度でも追加可能。

LOQUAT 西伊豆(静岡県伊豆市)

 ディナーはイタリアンにて。北鎌倉に本店があるイタリアンレストラン「タケルクインデッチ」が出店。素材の旨みをそのまま生かすことをモットーに、味の決め手は火加減と塩加減とのこと。伊豆の天然塩「井田塩」がおいしい。

4月5日(月)ふふ 熱海 別邸「木の間の月」(静岡県熱海市)

https://www.atamifufu.jp/

ふふ 熱海 別邸「木の間の月」(静岡県熱海市)

「ふふ 熱海」に新たに誕生したのが全6室の「ふふ 熱海 別邸『木の間の月』」。過去2500軒くらいのホテルや旅館を見てきた私の中で、恐らくベスト3に入るのでは?と評価できる客室。アメニティ類や備品のセレクトは言わずもがな、スイッチ類のポジションやタッチの感触、計算し尽くされた照明、テーブルの高さやソファの座面の硬度&角度、椅子を引いた時の滑らかな動きもおそらく考え尽くされている。

ふふ 熱海 別邸「木の間の月」(静岡県熱海市)

 ここまでやるかの連続だが、最近積極的に出店しているふふブランド、新しい施設ができるたびにブラッシュアップされていき、ただ贅沢というだけではないラグジュアリーを究めようとする飽くなきスタンスに脱帽。

ふふ 熱海 別邸「木の間の月」(静岡県熱海市)

「木の間の月」のダイニングは「鮨割烹 海の悠波」。凜とした雰囲気の個室やハイバックチェアのカウンター席が印象的。伊豆や熱海など地元の新鮮な魚介を中心に、日本料理と鮨の融合がテーマ。希少価値が高いといわれる“とろ金目”も炙りと握りで供され、ご当地の贅を味わえる。