週末には入場規制がかかるなど、老舗ながら常に日本のサウナ界をリードしてきたスカイスパYOKOHAMA。2021年末、日本最大級の100人が同時に入れる超弩級サウナ室・サウナシアターを新設した。果たして、スカイスパYOKOHAMAはどこに向かうのか。スカイスパYOKOHAMAの経営会社社長、金憲碵(きんけんせき)の人生も波乱万蒸だった。(全2回の2回目。1回目を読む)

◆ ◆ ◆

アウフグースのエンターテイメント化

「ドイツのアウフグース(サウナ内で石に水をかけ熱い蒸気を客に送るパフォーマンス)の歴史は、サウナで清掃したり、メンテナンス・接客をしている裏方のスタッフにスポットライトを当てるという目的で始まりました。それが次第にエンターテイメント化していった。うちも100人入れるサウナシアターを昨年末に作ったんですけど、みんなが舞台の上で、そのときだけは主役になれるんです。

ADVERTISEMENT

 サウナストーンは800キロで、サウナストーブは3台つなげて87キロワット。男性のサウナ室が確か39キロワットなので、その2倍以上ですね。さらにプロジェクターを置いて。そこで彼らが自分たちで映像や音楽の素材を持ってきてかけています。まるで、おもちゃを与えられた子供のように楽しそうに使っています。昨日は箸休めくんが、自分の芸人仲間を呼んで30分ぐらいステージしたり。うちのシアターではお客さんはみんな館内着を着用していただいているんですが、女性が男性のアウフグースを受けられたり、カップルで一緒にアウフグースを受けられることも珍しい体験だと思います」

 
他に類例ない巨大ストーブ

夢はアウフグース世界大会の開催

「経営的に言うと、あんなの本当は作っちゃいけないと思うんですよ(笑)。僕は割と固い経営をする方なんで自分らしからぬ感じなんです。でも、将来、日本にアウフグースの世界大会を誘致したいと思っているので、そのためにはまず日本で予選会をやって世界大会にエントリーしないといけない。アウフグースの世界大会の予選ってサウナ室の収容人数など一定の基準があるので、その基準を満たすのがあのぐらいの大きさなんですよね。