「審査される側」の関連ビジネスの会社役員に就任
不可解なのは、順朋会の委員会の事務局が置かれている場所だ。所在地は東京・新宿区の「コアフロント株式会社」となっており、これまで開催された委員会の会場は、すべて同社の会議室となっている。
コア社を調べると、医療機器の製造・販売などをおこなう会社であることが分かった。中でも歯科治療の機器が事業の柱であり、「CGF」の作成に必要な遠心分離機を販売するなどして利益を得ている。
さらに、同社の取締役に尾﨑氏、監査役に尾﨑夫人が名を連ね、二人はコア社の大株主でもあった。
つまり、尾﨑夫妻はコア社の役員・大株主である一方、コア社の商売であるCGFの審査にかかわり、しかもコア社で審査業務をおこなっていたことになる。審査する側が審査される側の関連ビジネスに関与していたことは、重大な利益相反が疑われる。
濡れ手で粟
膨大な数の審査をこなすとなると、委員会に入る審査料も相当な金額になるだろう。
順朋会のウェブサイトを確認すると、再生医療計画の審査にかかる費用は、1件あたり4万~5万円(税別)。これに別途、事務手数料が加算されると書かれている。
「CGFのセミナーに参加した際、新規の審査を相談したら、総額で10万円かかったと記憶しています」(ある歯科医)
順朋会がおこなった審査件数は約1700件。単純計算すると、審査費用だけで最低でも6800万円、最高で約1億7000万円が順朋会に入ったことになる。
さらに審査後の定期報告でも、2万8000~3万円、プラス事務手数料が必要となる。記録を辿ると、この7年間で定期報告は約5000件。定期報告だけで、1億4000万円以上の金額が入る。まさに濡れ手で粟だ。