文春オンライン

連載サウナ人生、波乱万蒸。

「例えば“裕福なシニア層に宿泊利用してもらう”には…」 北海道でサウナ―注目のイベントを生んだ林社長(46)が語る“サウナと街おこし”

「例えば“裕福なシニア層に宿泊利用してもらう”には…」 北海道でサウナ―注目のイベントを生んだ林社長(46)が語る“サウナと街おこし”

十勝アヴァント#2

2022/03/31
note

 十勝毎日新聞社から始まり、メディアやホテルなどの数々のビジネスを手掛ける林一族。名家に生まれたサラブレッドが、いかにしてサウナに魅せられ、地元を巻き込む一大サウナムーブメントを作り上げるに至ったのか。北海道ホテル社長、林克彦の人生も、波乱万蒸だった。(全2回の2回目。1回目を読む)

気持ちのいい大浴場
 
サウナ付き客室も
 

 

林が独自に編み出したマネジメント術

「実はこの図は色んなビジネス書を参考にしながら実践の中で作り上げていった、自分だけのマネジメントスキームであり、理念なんです。一番重要視してるのが、『顧客を創造すること』。

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 日本のホテル業界の典型は、お客さんが来るのを待つ姿勢ですが、大都市圏と異なり、十勝帯広はお客さんを呼ばないと存続できませんでした。では、顧客創造は誰が行うのか?人と組織がレベルアップしていかないと、顧客は絶対に創造できないんです。この図はそのノウハウを具現化したものです。

 従業員と言っても、ひとりひとり、特性もサービスに対する意識も違う。そういう個々人に対して、顧客創造をするためには個人の成長と、組織の成長が絶対に必要だということを共有するために作りました。お客様はたまたま来てくれているんじゃなくて価値があるから来てくれてるんだよと。例えば売店のパンひとつにしてもデザインのリブランド化をして、積極的にSNS戦略を考える。価値をちゃんと考えながら、プロジェクトをやりましょうと」