ナーバスになったもう一つの理由
とはいえ、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出ていたわけではない。より大きかったのは、もう一つの理由の方だ。
「直前の20日に読売新聞が1面トップで、東京地検特捜部が組織委理事だった高橋治之元電通専務を捜査していることをスクープしたんです。自身が代表を務める会社と大会スポンサーだった紳士服大手『AOKIホールディングス』側の間でコンサル契約を結び、4500万円を受領していた疑いを詳報。いったいどうなるんだろうね、と心配する声も会場ではあがっていた」(同前)
組織委の理事は「みなし公務員」であり、事実なら収賄で立件される重大疑惑だ。以降、全メディアが“五輪の闇”を巡り狂騒状態に(※高橋氏は8月17日に受託収賄容疑で逮捕)。
なんとも間の悪い時に開かれた盛大なBBQ。その3日後から、特捜部は高橋氏の自宅や電通など関係先を4日連続でガサ入れ。元組織委も当然捜査の対象となり、27日に清算法人に家宅捜索が入った。
主催者も判然としない謎のBBQ
出席して場を盛り上げた橋本氏の事務所に聞くと、
「知人に誘われて立ち寄りました。お茶を口にした記憶はありますが飲酒はしておらず、食事もしていない」
元理事が捜査を受けている現状について聞くと、こう答えた。
「多くの皆様のご努力で開催することができたオリンピック・パラリンピック東京大会でありますので、こうした疑惑が後から出てくるというのは非常に残念です。捜査にはできる限り協力する所存です」
組織委の清算法人にBBQについて聞いたが「関知していない」と答える。主催者も判然としない謎のBBQ。費用は一体誰が……。