中山氏に話を聞いた。
「日韓トンネルは発起人に入っている市議に会長(議長)になってほしいと言われ、引き受けた。私が出ているのは、年に一度の総会くらい。韓国では日韓トンネルをやっているのは、旧統一教会系と聞いたことがあります。だけど、熊本でそういう人が関わっている印象は全くありません。
熊本岸田会も最初はお断りしていたけど、どうしてもということで引き受けた。岸田さんと最初に会ったのは、2019年12月。話も聞いてくれる好人物と思った。こっちは、総裁選で岸田さんに入れてくれる党員を増やそうという目的で。目標は達成できましたね」
中山氏は議長を辞任
岸田首相に事実関係の確認を求めたところ、以下のように回答した。
「ご質問の会議(日韓トンネル推進熊本県民会議)については存じ上げませんし、同会議がご指摘のような関係があること(統一教会の関連団体であること)について知りません。関係について会長に確認したところ、会長もご存じないようでした」
8月23日配信の「週刊文春 電子版」が本件を報じると、中山氏は議長を辞任。
中山氏は、24日に記者会見を行い、議長を2011年の発足当初から務めていたことを認め、「日韓トンネルそのものが、統一教会と関連があると認識がなかった」と釈明した。辞任した理由については、「統一教会は非常に問題がある団体」のためとしている。
また、岸田首相もオンラインでの記者団の取材で、中山氏に「(日韓トンネル推進熊本県民会議が)旧統一教会に関連しているという認識がなかった。すでにやめられたと聞いている」と説明した。また、「私自身は知る限り、旧統一教会との関係はありません」と改めて統一教会と関係を否定した。
ただ、「週刊文春」の取材では、地元広島で選対責任者を務める県議や、強力に推して広島県から国会議員に当選させ岸田派入りさせた前県議も、統一教会の関係団体と親密な関係があることがわかっている。統一教会と関係の深い人物が、後援会長や選対責任者など岸田氏の政治活動を支える中枢幹部だったことが判明したことで、今後、統一教会問題にどのような対応をとるのか、注目される。
8月23日(火)12時配信の「週刊文春 電子版」および8月24日(水)発売の「週刊文春」では、岸田首相と中山氏との詳しい関係や日韓トンネル構想の実態のほか、岸田首相の選対責任者が統一教会系団体の議長を務めている問題、萩生田光一政調会長を支援してきた文鮮明氏の親戚、教団との関係性を否定する秋葉賢也復興相が登場していた教団系新聞など、岸田政権と統一教会の関係を徹底検証している。
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