「俺、13歳の頃に先輩をボコボコにしたら死んじゃって、3年ほど少年院に入っていたことがあるんだよね。宇都宮にいた頃、仲の良かった先輩が調子に乗っていてムカついた。先輩はその時、脚の骨を折って松葉づえをついていたから、それを奪ってボコボコにしてやったんだ」
当初は嘘の武勇伝を語っているだけだと思っていたA氏。しかし、
「小松と一緒に過ごしているうちに、どうもそうとは言い切れない部分があるなと思い始めたのです」(A氏)
「本当にこいつは人を殺したんだ」と背筋が寒くなった
1つが、小松に誘われて行ったドライブだ。2021年2月頃、A氏は小松から「俺が入っていた少年院に行きたいんだよね」と持ちかけられる。
「群馬県前橋市の赤城少年院に車で一緒に行きました。小松は最初、栃木県さくら市の喜連川少年院にいたそうですが、途中で移ったと話していた。少年院に着くと、教官とも話をしていたので、入所していたこと自体は間違いないんだろうなと思いました」(A氏)
そして2つ目が、冒頭の胸に刻み込まれた“日付タトゥー”だ。「俺が先輩を殺した日」を自慢げに身体に彫り込む神経にA氏は背筋が寒くなったという。
「本当にこいつは人を殺したんだ。こいつならばやりかねない——タトゥーを見せられて疑念は確信に変わりました」(A氏)
小松は本当に少年時代に事件を起こしているのか。当時の新聞を調べると、次の記事があった。
〈宇都宮市の県営住宅の一室で1月、県立高校1年の○○さん(16、※原文では実名)が遺体で見つかった事件で、宇都宮家裁は25日、傷害致死の非行事実で送致されていた県内の中学2年の男子生徒(14、※事件当日13歳)について初等少年院送致とする保護処分決定をした。(中略)決定によると、○○さんの態度に腹を立てた男子生徒は1月26日午後2時半頃、○○さんの自宅の県営住宅の一室で、顔を手で数回殴った後、金属製の松葉づえで頭や腹などを複数回殴打し、死なせた(以下略)〉(読売新聞2015年3月26日東京朝刊)
記事にある日付をA氏に確認すると、「間違いない。タトゥーの数字はこの日付です」と語った。
小松はどのような少年だったのか。中学校時代の同級生が証言する。