――対局の復習はどのように……?
内山 私は指した将棋を解析するときだけAIを使います。序盤で差がついていることがはっきりした対局もありました。完敗だったのは加藤桃子女流四段戦で、横歩取りで序盤の構想からちょっとずつ差がついて何もできませんでした。次回指す機会があれば、もう少しやることを固めていかなければとか、いろいろ反省がありました。
――リーグで善戦して強くなった手ごたえはありますか。
内山 それはありません。でも、アマ時代からずっとそうなんです。段級が上がっているから強くなっているのだろうと思うくらいで、自分の将棋が前より良くなっている手ごたえは感じていなくて。
福間女流四冠との対局で感じた“スピードの差”
――福間香奈女流四冠にはリーグ戦の直接対決で勝ち、リーグ成績7勝2敗で並んで再びプレーオフで対局されました。
内山 福間先生に勝った対局は、作戦もコンディションもすべて私に傾いて出た結果だと思います。実力差がかなりあるのは分かっている。ただ、私は、相手が同じくらいの実力でも自分より強い相手でも、そこに邪念が入らないというか、同じテンションで手を考えるタイプだと思います。勝てる自信があるかないかは指し手に影響しません。
プレーオフで再び対局したときは完敗でした。感想戦でも感じたのは、私がすごく考えてたどり着いた手順がスッと見えるのだろうな、結論に達するまでのスピードが全然違うだろうなということです。今年度の倉敷藤花戦では西山朋佳女流四冠と対戦して負け。西山女流四冠とも同じようなスピードの差を感じました。
もし、時間の長い将棋でお2人と対戦したとしても、私の力で相手に時間を使ってもらえる気が全然しません。タイトル戦を考えるのはまだ先だと思います。
――今回の善戦で、次こそはタイトルをという感じではなくて?
内山 ないですね。そもそも自分がトップになるとはあまり思っていないというか。アマ時代も大きな大会で優勝したことがなく、私は世代筆頭という感じではありませんでした。