就任から1年経つと…
人間にはさまざまな野心があろう。だから都知事になる過程や思惑も人それぞれあっていい。問題は都知事になってからの政治だ。ここで小池氏が都知事に就任して1年後の各紙記事を見てみよう。
『顧問重用「密室政治」と批判も』(朝日新聞2017年8月2日)
小池氏は自ら選んだブレーン14人を「都顧問」としているが、都幹部らが知らないうちに決まる重要政策もあると報じる。
《都によると、小池氏と顧問の日常的な協議内容は記録されない。ある都幹部は指摘する。「知事と顧問の議論は後で検証できない。都議選で知事は自民党都連について『(物事の決め方が)ブラックボックス』と批判したが、自分も同じことをやっている」》
同じ日の読売新聞も『小池都政 顧問が動かす』と大きな見出しで伝えた。都政をブラックボックスと叫んで当選した小池氏は、1年後には自分も同じことを指摘されていたのだ。
自民党への“大きな借り”
小池都政のブラックボックス。知事の元側近の小島敏郎氏は学歴詐称工作に加担したことを「文藝春秋」(2024年5月号)で告白したが、4年前の学歴詐称問題における都議会対策で、
《自民党の二階さんや都連には大きな借りができた。その結果、自民党寄りに変節していったのでしょう。》
と述べている。小池氏は自分の“秘密”を守り続けるために権力を保ち続けなければならない?
《それゆえ、小池さんは、都議会多数派と足並みをそろえ、都庁官僚の支持を得て、権力を持ち続けること自体が最優先になっています。》(小島氏)
いつの間にか自民と手を組んだ小池都政。政策決定の過程も不透明。これは都民の税金の使われ方の話でもある。その小池氏が3期目にも出馬濃厚というのだから、検証を求める候補者が一人でも多く都知事選に出るのは当然であり健全に思える。チャンピオンは堂々と論戦を受け、チャレンジャー達は攻めればいい。都民のジャッジの材料(論戦)は多いほどいいではないか。選挙とはそういうものだ。それとも都政の過程が明らかになると困る人がたくさんいるの?