昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「不倫」がなくならない原因は人類の脳の仕組みにあった

脳科学者が分析する、人類が「一夫一婦制」に向かない理由

2018/07/30

 そもそも哺乳類の世界では、一夫一婦型の生き物は少数派です。研究が進むにつれて、旧来は一夫一婦型とされてきた生き物の大半が、実はパートナー以外とも性的関係を持っていることが珍しくないことがわかってきました。

オス(左)もメス(右)も盛んに不倫をするルリオーストラリアムシクイ

 人類の歴史を見ても、一夫一婦制が法律や道徳としてはともかく、実態として厳格に守られてきたことは、ほとんどないと言っていいでしょう。そればかりか、一夫多妻や乱婚を許容してきた社会集団のほうが、むしろ人口の維持には有利な側面もあったのです。

 このように考えてみると、不倫が発覚するたびに大騒ぎし、その当事者の全人格を否定するかのようなバッシングが、どこか物悲しい狂態に見えてくる気さえします。

不倫バッシングもなくならない

 とはいえ、不倫に対するバッシングもまた、完全になくなることはないでしょう。

 人類は社会的動物です。国家、家族、会社、学校やサークルといった共同体を維持することによって、人間社会は成り立っています。共同体は、その資源(リソース)を増やすために構成員(個人)がそれぞれ一定の協力をし、共同体からリターンを受け取ることで維持されています。

 ところが、なかには共同体のリソースを増やすための協力をせず、リターンだけを受け取ろうとする者もいます。自分は汗をかかずに、おいしいところだけをごっそりもらおうという輩です。

 こうした存在は「フリーライダー」と呼ばれます。

 共同体の協力構造と秩序を維持するためには、フリーライダーを検出し、排除(制裁)しなければなりません。