この状態の母と二人きりで過ごすのを父がいやがったので、私が泊まることにしました。その後、姉もあとから来てくれたので4人一緒です。
翌8月14日。母は言葉を発することはないものの、口の中をきれいにしようとするといやがって顔をしかめます。痛みを問うと小さく反応もありました。
ただ、朝になれば仕事があります。私も姉も仕事に行くのと、父も透析に行くのとで、母のもとに家族はいない状態になります。
ですがサ高住の方がいてくださるのと、いつもの訪問看護師さんが来てくださる予定になっていたので、私は安心して仕事に行くことができました。
看取りは「いつもどおり」でいい
東京の妹たちはというと……。
三女は「16日に休んで京都に行くべきか、16日は仕事をして18日、19日に京都に行くべきか悩んでいる」。四女は「行きたいのだけど、どうしても大切な仕事が16日にあるので迷っている」。このようにそれぞれの希望を伝えてきました。
看取りに際しては「いつもどおり」でいいのです。私は、妹たちにも同じことを伝えました。
「自分の生活をきちんと送りつつ、急な事態に備えてほしい。夜の移動は必要なく、朝を待って行動すればいい。みんなしっかりとそれぞれにお別れはできているのだから何もあわてなくていいんだよ」
「心臓が止まる」か、「しんどいのをとる」か
勤務に出ている間、私のもとに訪問看護師さんから報告メールが来ます。
「目が同じ方向を向いたままの状態は治まった。コミュニケーションはとれないが拒否はある。自分の力で座れている。飲み物をすすめると飲もうとするが、飲み込みは難しい」
「自分の力で座れているのか!」と母の生命力にまたしても驚かされました。
続けて看護師さんからは、「身の置き所がなく、横になりたがらないのに困らされた」という報告ももらいます。
用意していた医療用麻薬の座薬の量では痛みがあってつらい様子で、貼り薬の医療用麻薬の量を増やしたりもしましたが、それでもまだつらさが残っているようでした。