同級生の○○さんは商社勤務の男性と結婚した。近所の○○ちゃんには3人目の子どもが産まれた。そんな話を持ち出されるのに嫌気が差し、川上さんは実家へ帰省するのをやめた。一方の母親は娘にだけでなく、同じく未婚だった川上さんの兄に向けても結婚するようけしかけていた。
知人から紹介された女性との見合いの場を設け、勝手に街コンに申し込んで参加するよう勧め、いわば代理婚活に必死だ。兄のほうはそれも親孝行のひとつと考えて母親に従っていたが、何人かの女性と見合いをしてもいい結果にはならなかった。
「母は子どもに完璧を求めるタイプの人だから、どちらの子どもも独身だなんて受け入れられない。兄も私もいい大学を出て一流企業で働いているのに、どうして相手が見つからないのか、現実が許せなかったんでしょうね。それは私が本格的に婚活をはじめてからも同じでした。母にはいまどきの婚活の厳しさがわからなくて、余計な口出しはするわ、自分の考えを押しつけようとするわ、何度も母娘ゲンカになりました」
35歳を過ぎると〈いいね〉が来るのは40代後半以上の男性ばかりに…
34歳になって先の男性との関係を解消した川上さんは、マッチングアプリでの婚活をはじめた。何人もの男性との交際経験を持ち、「結婚なんていつでもできる」と余裕だった川上さんだが、いざ婚活をはじめてみると認識の甘さを痛感した。
当初は何人もの男性とマッチングした。それでもメッセージ交換を経て実際に会ってみると、アプリの写真とは外見が違っていたり、会話がヘタだったりする。なまじ恋愛経験が豊富なだけに、つい過去の交際相手と比較し、「こんなダサい人、あり得ない」と相手を見限ってしまう。
今から考えれば傲慢だった、そう過去の自分を振り返る川上さんだが、当時は「好条件の人」を探すことが婚活の第一目的だった。それまで多くの男性から「彼女」として選ばれてきた自信もあったし、なにより好条件の相手でなければ母親が納得しないだろう、そんな気持ちもあった。ところが35歳を過ぎると、川上さんのマッチング率は急低下した。
同年代の男性とマッチングしにくくなり、40代後半や50代、ときには60代以上から〈いいね〉が来る。〈いいね〉とはマッチングアプリ内で気に入った人に送る意思表示で、双方が〈いいね〉を送り合えばマッチングが成立、一対一でメッセージ交換ができる仕組みだ。
「いくらなんでも60過ぎの人から〈いいね〉されるのは気持ち悪いし、これはマッチングアプリ以外の方法で婚活するしかないなと思いました。36歳で結婚相談所に入会したんですけど、こちらはこちらで大変でしたね」