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藤井に話を聞くことができた
撮影の合間、藤井に少しだけ話を聞くことができた。
永瀬の仕掛けについて。
「似た仕掛けを経験していますし、攻めを継続するなら1筋しかないので驚きはありませんでした」
感想戦で藤井が言及した変化について。
「歩を取られたとき、桂で取り返すのはまずいと思っていました。7筋の歩を伸ばすつもりでした」
また、終盤の変化をいくつか尋ねると、スラスラと答えが返ってくる。どれも脳内だけで読み切るのは困難な手順なのに。すごいなあ。
とにかく本局の藤井は強すぎた。竜を作った後に歩の垂らしで手を渡し、角を切ったかと思えば自陣に手を入れる。押し引きのタイミングが絶妙すぎるのだ。
AI研究に慣れ、藤井将棋にも引っ張られて皆がレベルアップし、今の棋士は速球には目が慣れている。しかし、ここまで緩急をつけた投球をされると手が出ない。そこには読みの深さ正確さだけではない、技術的な巧緻さも含まれているように見える。
「不調」と言われた状況を脱出して、いつも通りに戻った、のではなく、むしろさらに強くなったかのようだ。
撮影=勝又清和
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