パンでサイコロを作ってボードゲームを

――本に囚人と遊んだボードゲームの写真がありましたが、どんなゲームなんですか?

照井 「ルドー」というゲームに近くて、サイコロを振ってコマを動かし、相手のコマを取ったりしながら、5マスの陣地に5つのコマを全部入れたら勝ちというゲームですが、要はかなり時間がかかるゲームなんです。4人でやると1時間ぐらいかかって時間が潰せるから、みんなやりたがっていました。

 

――サイコロなんてあったんですか?

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照井 食事で出てくるパンに水を加えて形作り、歯磨き粉で目に色を付けたり、部屋に隠されている釘とかで目を掘ったりして、それを外に置いて固めてサイコロを作っていました。コマは差し入れとかがあった際、マーブルみたいなお菓子があって、それをコマにしていました。

――そういうゲームが部屋に伝わっているわけですか。

照井 そうですね。自分が外国人部屋に来た時に他のメンツがゲームしていました。没収されたらシーツを破って、ボールペンで盤面を書いて作っていました。これ(本に掲載された写真を指して)は3代目です。最初の方はこのゲームでかなり時間を潰していましたね。ルールを分かっている初期のメンツがいなくなってからはやらなくなりましたが。

囚人たちが遊んでいたゲーム。「マンダボーシュカ」と呼ばれていた(『ベラルーシ獄中留学記』より)

抗議をすると看守から“往復ビンタ”

――拘置所で書いていた日記も捨てられてしまったんですよね。それに抗議したら、看守から何度も平手打ちを受けたと。日本の拘置所にも問題無いとは言えませんが、これはありえないですよね。

照井 自分もびっくりしましたね。一応、何らかのアクションでワンチャン日記を取り戻せないかなって、わざと大声で抗議したんですけど、逆にビンタされるとは。痛いとかじゃなくて、びっくりしましたね。カルチャーショックというか、人を守る側の立場の人間が加害する側になり得るんだと衝撃を受けましたね。そういうお国なんだな、みたいな諦めもあったんですけど。(つづく)

撮影=佐藤亘/文藝春秋

※2026年4月10日現在、外務省はベラルーシ全土に高い危険情報を発出しています(ウクライナとの国境周辺地域で危険レベル4〔退避勧告〕、それ以外のベラルーシ全土で危険レベル3〔渡航中止勧告〕)。不要不急の渡航の中止、滞在中の場合は早期出国が強く求められています。

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