NHK連続テレビ小説『風、薫る』がスタートした。明治時代に日本最初のトレインド・ナース(正規の訓練を受けた看護師)になった女性の活躍を描く物語。主人公の一人、一ノ瀬りんを演じているのが見上愛である。
眉が太く、唇が厚め。ひと目見たら印象に残るルックスだ。写真によってはアンニュイな雰囲気をたたえていて、“ミステリアス”と言われたこともあった。しかし、『風、薫る』ではいかにも朝ドラの主人公らしい役柄を堂々と演じている。
今年3月には、映画『国宝』の藤駒役で第49回日本アカデミー賞新人俳優賞を授賞。『国宝』製作チームであるミリアゴンスタジオの最新作、Netflixドラマ『喧嘩独学』でもヒロインを演じる。メインストリームに飛び出してきた、まさに今が旬の女優である。
『光る君へ』で見せた存在感
『風、薫る』のもう一人の主人公、大家直美を演じる上坂樹里がオーディションで選ばれたのに対して、見上はオファーによって起用された。大きなインパクトになったのが、2024年の大河ドラマ『光る君へ』で演じた藤原彰子役だ。
当初は「仰せの通りです」と繰り返すばかりの11歳の少女だったが、入内して出産し、やがて強くて聡明な「国を守る女性」となる。作中でもっとも大きく変貌する役柄を見事に演じてみせた。役への向き合い方、表現力、存在感が評価されての朝ドラヒロインへの抜擢だった。
中2で「人生を一変させるような出来事」
2000年東京生まれ。3歳から18歳までバレエを習い、中学からはハンドボール部に所属。父親の勧めでギターを始め、バンド活動をすることもあったが、人見知りであまり人前に立ちたいと思っていなかったという。
人生を一変させるような出来事が起こったのは、中学2年生のとき。鈴木おさむプロデュースの2.5次元ミュージカル『私のホストちゃん』を家族で観劇して一気に演劇にハマったのだ。
「お客さんたちがすごく楽しそうに帰っていく姿を見て、舞台ってすごいパワーを秘めているんだなと驚いて。それから観劇にハマって、照明や劇評、演出家など演劇系の仕事に就きたいと考えるようになりました」(Web LEON 2024年8月23日)

