ただ、トランプ氏はその5カ月後に再戦を挑み、今度は約15億円の勝利を収めたそうです。その後、柏木氏はさまざまな勝負に負け続け、最後は十数億円以上の借金を抱えたと言います。

借金を抱えた男が「死体で発見」

 実はこの柏木氏、平成4(1992)年1月に自宅にて首や胸などを刺され、殺されています。

 この最期についてもトランプ氏は「東京のど真ん中にある大豪邸で、日本刀のような刃物で切り刻まれて殺された」という趣旨の記述をしていました。ただ、私はこれを読んだときに違和感を覚えました。土地の限られた東京に、そんな大豪邸があっただろうか、と。

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 実際の事件現場は、東京都内ではありません。山梨県の河口湖畔にある“柏木御殿”と呼ばれる豪邸でした。トランプ氏はバブル期に日本の不動産事業に関わっており、実際に来日もしていますが、車での移動中にどこまでが東京都内なのか判然としなくなっていたのでしょう。翻訳者も原文に忠実に訳した結果、場所の誤認がそのまま残ってしまったようです。

 この事件は、十数カ所を刺されるという凄惨なものでしたが、恨みを持つ人があまりに多すぎたためか、いまだに犯人は捕まっておらず、平成19(2007)年に公訴時効を迎えました。借金が原因の殺人と見る人もいますが、なにせ犯人が見つかっていないので詳細はわかりません。

 事故物件となった柏木氏の豪邸はどうなったのか?