アゴが割られた選手のその後
──船木さんですよね。近年になって山本選手本人が公表してます。
長井 あっ、そうなんですね。僕、その時のことをすごく覚えてるんですよ。なぜかわからないけど、船木さんが山本をフルスイングでぶん殴って。あとで船木さんにその話を聞いたら、「アイツ、がっつり殴った時は倒れなかったのに、そのあとほっぺをペチッと叩いたらうずくまって倒れやがったんだよ」みたいなことを言ってて。でも、そりゃそうですよね。1発目でアゴが折れてるんだから。
──すでにアゴが割れてたら、ペチだろうがなんだろうがうずくまりますよね。
長井 それで山本はアゴが割れたのでプレートを入れてボルトで固定して、アゴが開かないようにワイヤーで歯を止めることになったので、骨がくっつくまで食事はすべて流動食ですよ。山本は入門してきた時は、どちらかといえばぽっちゃりしてたんですけど、退院してきたらげっそり痩せちゃってましたから。そんな状態で帰ってきたので、普通であればリハビリのような運動から段階的にやらせていけばいいじゃないですか。でも、いきなり他の新弟子と同じ練習に放り込まれたので、できなくて当たり前ですよね。
──入院して体力も落ちていたでしょうからね。
長井 だからアイツは辞めちゃったんですよ。
──山本さんって相当根性ありそうですけど、それでも辞めざるをえないという。
長井 のちに山本が船木さんと会う機会があったらしくて、「俺がこの業界に戻ってきたのは、お前にやり返すためだ!」って言ってやったらしいですよ(笑)。
──おー! これはリングスとパンクラスの団体対抗戦が実現していたら、すごいことになっていたでしょうね(笑)。
長井 実現してたら血の雨が降っていたと思いますよ(笑)。