衝撃のカミングアウト
長井 さすがにこのまま放っておいたら死んじゃうなと思って病院に行ったら、キンタマって血管でつながってるんですけど、それが蹴り上げられたことによって袋の中で破裂して内出血して腫れ上がってたんです。そんなケガまでさせられてるんですよ。今だったらコレ(手錠)でしょ?
──事故じゃなくて故意ですもんね。
長井 それで道場に帰って「こういうケガになりました」って報告したら、前田さんに「お前、どうやったらそんなケガをするんや」って言われたんですよ。そしたらキンタマを蹴った先輩が自分が蹴り上げたくせに、「コイツ、片足タックルを取りに来た時に自分で股間をぶつけてケガしたんですよ」って、ウソついてましたからね。これももうカミングアウトしてもいいでしょ。30年以上経つから。
新生UWFはすごいブームだったから、道場も神聖なイメージがあったじゃないですか。でも、現実はそんなところですよ。もちろん強くなるために練習もいっぱいしたけど、密室で陰湿なことが毎日のように行われていたのも確かです。
──内実はそうだったと。
長井 その中でいちばんまともだったのは安生(洋二)さんですよ。だからUWFやUインターの後輩で安生さんのことを悪く言う人はいないと思いますよ。
──たしかに誰もいないですね。
長井 世の中では「200%男」とか、前田さんをぶん殴っちゃったイメージが浸透してますけど、安生さんがいちばん常識人だし、イジメなんかしないでちゃんと強くなるための練習をしていましたから。それでUWF道場の練習が終わったあとも、さらにムエタイの練習に行ったり、努力されているところも後輩の僕らは見ていたので。みんな安生さんのことをリスペクトしてたと思いますね。
──後輩イジメをせず努力家で、実際に強かったわけですもんね。