ある20代の女性は、「小陰唇の外側が黒ずんでいる」と悩み、30代のある女性は「小陰唇の外壁部分に湿疹のようなブツブツがあるので切除したい」と、レーザー手術を受ける。
どちらも彼氏から指摘されたわけではない。最近の若い女性は欧米の影響なのか、陰部を脱毛する人が多い。見えやすくなった陰部を気にしているのだ。
見た目だけではない。小陰唇が肥大している場合、ヒダの間に分泌物の腐敗した「恥垢」がたまり、悪臭のもとになる。
2022年には絶対に必要な医療となる・性の美容整形という選択
また、男性の包茎と同様、女性にもクリトリスに多めに皮がかぶさったクリトリス包茎がある。快感が得られず、セックスを嫌悪しがちになるため、これもレーザーで切除する。
ビバリーヒルズで関口氏はマトロック医師の指導のもと、豚の皮でつくった女性器で手術のトレーニングを行った。豚の皮が女性器に最も近いからだ。
こうして関口氏は自分のクリニックにレーザーなど設備投資を行った。
「業界では物好きと言われています（笑）。でも、10年後には絶対に必要な医療となります」
そう断言するのは、アンチエイジングとして、確実な需要があるからだ。現在、関口氏のクリニックでは、タイトニング手術は80万円から、デザイニングは50万円からで、症例数は100人に満たない。
しかし、「骨盤底トレーニング」は初診だけで年間500人を越えている。
「泌尿器科系や性機能の障害のすべてに骨盤底を構成する筋肉、靱帯、筋膜、血流、神経の問題が関係しています。そこで骨盤底障害トータルケアを推奨しています。例えば、骨盤底体操をやると、尿漏れの患者さんは70％の改善率でした。また、強い骨盤底はオーガズムに達するために重要です。骨盤底の筋肉が弱いと、セックスの際に必要な摩擦への耐久力がなくなります。血液を膣に供給することもできません。血の巡りと収縮できる筋肉量がなければダメなのです」
「膣トレ」で話題となった「ネオ・コントロール」という椅子は、磁気電気刺激が骨盤底筋肉を動かし、膣付近の筋トレを行う。また、「ビビーブ」は、膣の中に高周波をあてて膣の筋肉と皮膚の間のコラーゲンが増えるようにする機械である。メスを使わずに弛緩が改善され、1回の使用で1年後も性的満足が持続しているという報告もある。
「目指すは、美しくて機能もよい骨盤底。女性のヘソから下の健康をすべて守ります」と、関口氏は胸を張る。アメリカがセレブ向けに治療技術を発達させたのに対して、日本は高齢化社会の到来がQOLを充実させたい人々の背中を押しているのだ。
（後編へ続く）
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