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 また首相会見といいながら、専門家会議の尾身茂氏が同席。自分一人が矢面に立って、なんでも受けてやるという姿勢が見えませんでした。

首相会見に同席する尾身茂氏(左)。安倍首相(4選)はアンケートで3位(89票)だった ©時事通信社

 NHKで中継を見た方も多いと思いますが、18時から始まって、18時40分すぎに中継が終わる。記者からの質問が盛り上がり「いよいよこれからだ」というところで、なぜかスタジオ解説に切り替わる。民放も途中にCMが入り、やはり19時前に終わってしまう。

 首相が覚悟を国民に伝えるとするならば、会見時間を早めて、質問時間をたっぷり取る方法もあったはず。最初の会見では「次がありますから」と質問が打ち切られて、翌日の首相動静を見たら30分後に帰宅していたということもありました。

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 それが指摘されると今度は会見の後ろに「対策本部」を入れるようになりました。これは本来順序が逆で、「対策本部」で決まったことを会見で語るというのが筋でしょう。

 危機においてリーダーは立ち向かわなければいけないのに、逃げる姿勢が見えた。安倍首相のリーダーシップが問われた象徴的なシーンでしょう。

「吉村洋文にあって、小泉進次郎にないもの」

 一方、票が集まった吉村洋文、小池百合子、鈴木直道各知事。彼らに共通していたのは「指導力」そして「発信力」。これは安倍首相との比較論でもあったと思います。

 とりわけ急激に票を集めた吉村府知事は45歳という若さで、言葉に力があり、決断が速い。「大阪モデル」という独自基準を5月上旬には導入し、軽症者・中症者・重症者による受け入れ先の振り分けも早かった。その結果、一時100人を超えた大阪府の新規感染者は5月下旬以降0人~数人という日が続きました。

「ポスト安倍」アンケートで2位(191票)になった吉村洋文府知事 ©時事通信社

 加えて、毎日府庁のボード前に出てきて府民に強く訴えかけていた姿が印象に残っているという人が多いのでしょう。

「若さ」でいえば、小泉進次郎環境相(10位)は39歳です。しかし彼は対照的に「発信力」を欠きました。環境相という立場ですから、感染症対策に関して発言のタイミングも何度もあったはずです。でも閣僚になってからこぢんまりして、「内閣の一員」に収まってしまった。父親の純一郎氏は閣僚時代も更迭を恐れない発言をする政治家でした。小泉環境相の魅力も“はみ出し野郎”というところでしょう。“はみ出さない小泉進次郎”は魅力を欠きます。

 メディアも“密”を避けるため、取材が難しくなっている時期に“撮れ高”の低いところには人を出しませんよね。今後復活する可能性はありますが、小泉氏は「ポスト安倍」としてはいったんお休みというところでしょうか。

 さて吉村知事はこれだけの人気ですから、望めば衆議院議員になることは容易い。ただし維新で生まれ育った政治家・吉村洋文にとって、その維新という枠が逆に大きな障害になるでしょう。