「ポスト安倍」アンケートで4位に入った河野太郎防衛相。現職国会議員では、石破茂氏、安倍晋三首相(4選)に次ぐポジションだ。Twitterを巧みに使い、柔軟に支持層を広げる河野氏は現役閣僚のなかでも国民の期待が高い。
ではその河野氏は「次の首相」にふさわしいのか。約15年前に河野氏を初めて取材したというフリーランスライターの畠山理仁氏が綴る。(全4回の4回目/#1、#2、#3より続く)
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「ポスト安倍」にはいいポジションだが……
河野太郎の魅力は「挑戦する姿勢」だ。彼が今でも高く評価されているのは、長年培ってきた「攻める政治家」のイメージが広く世間に定着しているからだと私は思っている。つまり、河野太郎は今、「過去の遺産」で評価されているのではないだろうか。
第2次安倍政権で、河野太郎は行革等担当相(国家公安委員長)、外相、防衛相と要職に就いてきた。たしかにポジションとしては「ポスト安倍」を狙える位置にいる。しかし、彼が要職についてからの「めぼしい成果」を挙げられる人が何人いるだろうか。
外相在任中、河野は外国訪問回数59回、のべ123の国・地域を訪問し、歴代最多記録を更新した。ハイペースで外遊を重ねる一方、「スタンプラリー外交」との批判もあった。
外相時代の記者会見で日露の条約交渉の質問が出たときには、記者の質問を無視し続けて「次の質問どうぞ」を何度も繰り返した。これを評価する人はあまりいないだろう。
Twitterのユニークな活用方法が注目を集め、政治家としては、橋下徹、安倍晋三首相に次いで第3位のフォロワー数を誇っている。しかし、批判的な意見を次々ブロックすることで、「#河野太郎ブロック祭り」というハッシュタグが生まれた。一部では、河野にブロックされることが「ネタ」と化している。
しかし、私はこうしたイベント的な人気が「次の首相」につながるとは考えたくない。人々が首相という仕事を軽く考えているとも思いたくない。