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 支援センターの人たちの力を借りて、何度か亡くなった3人の遺品を整理しました。洋服やランドセルなどを見ると本当に辛いです。自分がおかしくなってしまうのが怖いので、あえてあまり入り込まないようにしている部分があります。

 今、3人が生きていたら、ということをしょっちゅう考えます。今にして思えば、もっと家族に色々なことをしてあげられたのに、という後悔の気持ちしかありません。特に子供たちの将来は本当に楽しみにしていました。私が悪いわけではないのでしょうが、どうしてもそう考えてしまいます。

8 裁判が始まるまでの気持ち

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 事件から裁判が始まるまで、約2年半かかりました。私の頭の中にはずっと、なぜうちの3人だったのか、そしてなぜ殺されなければならなかったのか、という疑問が消えませんでした。それを被告人本人に直接聞きたいとずっと思い続けていました。

 こんなに長い間、待たされたことについては怒りの気持ちしかありません。被告人は、精神障害があるのかどうかわかりませんが、私の自宅2階から転落した後、無料で手厚い治療を受け、精神鑑定を何度も受け、警察、検察、裁判所などの国家機関の人たちがたくさん彼の権利のために働いています。被告人が結婚したペルー人の女性は、被告人とは恋愛関係になく、被告人にお金を払って来日したそうですが、何やら胡散臭い話です。仕事は続かず、昼間は寝ていて夜に起きてゲームをするような生活を続け、あげくの果てには6名も殺しました。そのような外国人でありながら、日本の税金をたくさん遣ってみんなで大事に保護していると感じます。一方私は、真面目に生活してきた日本人です。この国が私に何かしてくれたでしょうか。誰のための裁判なのか、疑問です。守られるべきは被害者ではないでしょうか。私の意向は何も聞かれることなく、被告人の都合だけで2年半も待たされました。

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9 裁判が始まって

 裁判が始まって、初めて直接被告人を見ました。被告人を見た時、今にでも飛びかかって殺してやりたい気持ちにかられました。被告人の態度は、反省どころか、最低限の礼儀を尽くすとかそういうレベルにもないことに、怒りの気持ちでいっぱいです。自分ではなぜ裁判にかけられているか分かっているはずですが、自分のしたことが悪かったという態度は微塵もありません。

 たくさんの証人が出てきて、事件のことが明らかになりました。聞けば聞くほど、被告人は普通に生活していて、どこもおかしくないことが分かりました。実際、事件が起きた直後、警察から聞いた話ですが、警察が私の娘たちの話を被告人に尋ねたら頭を抱えていた、ということでした。彼はちゃんと自分のやったことを認識していたはずです。精神鑑定などにこんなに時間をかけずに、事件後すぐに裁判をしていたら、もっと真実に近づけたと思います。長期間、身柄拘束すれば誰でも頭はおかしくなるのではないでしょうか。それに、事件から2年半もたてば、普通の人でも記憶は曖昧になるでしょう。確かに被告人は今、精神状態は悪くなっているように思います。なぜこんな風になるまで長引かせたのか、私は納得がいきません。