女性宮家創設は問題の根本的な解決にはつながらない
一方、皇族の減少問題については民主党政権でも論点整理が行われた女性宮家創設の是非が議論となります。ただ、『女性宮家は女性天皇や女系天皇につながりかねない』と警戒する保守層を支持基盤とする国会議員を中心に、自民党内では女性皇族が婚姻によって皇籍を離れても『皇女』と呼ばれる特別職の国家公務員となり、公務を継承する案を議論すべきという声もあります。
ただ、この制度は一般国民となる元皇族を職業上、特別扱いするものとして問題視する声がすでにあるほか、皇族の減少問題の根本的な解決にはつながらないと言われています。コロナ禍のために、一連のお代替わりの儀式を締めくくる立皇嗣の礼の開催が延期になったとはいえ、附帯決議からは4年が経過し、退位が実現してからももうすぐ2年です。政府による検討は今となっては到底『速やか』とは言えません。政府が本気で議論をしようとしているとは、到底思えないのです」
「生まれなかった時に考えればいい」という政府の無責任さ
そうなると、愛子天皇実現に向けた議論が進むかもしれないという見方は楽観的過ぎるということなのかもしれない。附帯決議がある以上、政府としては形だけでも何かやったという事実を残さなければならないということだろう。
「政府の本音は『悠仁さまに子供がなかなか生まれなかった時に考えればいい』といった無責任なものなのではないでしょうか。政府は年内の意見集約を目指すとの方針を示していますが、明確な結論の提示は見送るだろうとの観測が早くも流れているからです。
しかし、皇室が先細りしていくことは確実です。還暦を過ぎていない皇族は57歳の皇后陛下をはじめ、愛子さま、秋篠宮ご夫妻、ご夫妻の長女・眞子さま、次女の佳子さま、悠仁さま、故寛仁親王の長女・彬子さま、次女の瑶子さま、高円宮家の長女・承子さまの10人のみです。このうち愛子さま、眞子さま、佳子さま、彬子さま、瑶子さま、承子さまの6人は現在の皇室典範のままでは婚姻によって皇籍を離れられるのです。