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──電王となったポナンザは一般公開しておらず、ポナンザの評価を知ろうと思ったらニコ生に登場している時に見るしかなかったと思うんですが、そういう評価を参考になさったことはありますか?

「やっぱり、自分でパソコンをいじって、『この手だったらどうなのか?』ってやれないと、理解するのは難しいなと思いましたね。放送で流れる評価を見ているだけでは……」

「自分で『ここは疑問だな』というところを何回も繰り返して評価させてみても、やっぱりわからないところはあるので。それですらわからないところがあるのに、初めの評価値だけでは理解できない……感覚として蓄積していって、どこかの段階でわかるようになる、ということはあると思うんですけど」

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──読み筋をいくつか比較していかないと、身につかないということですか?

「その場ではわからないですよね。とりあえず」

──放送を見て、そこに表示されている評価値を見ただけでは、プロ棋士もわからないと。

「たくさん見ていくうちにわかることは、あるかもしれませんけど。読み筋が表示されていたとしても、どこかの段階で『ここをこう指していたらどうなっていたんだろう?』というのはあるので」

──YSSと電王戦で戦われた直後に、大阪弁護士会のインタビューを受けていらっしゃいますよね?

「あ、はい」

──そこで『(ソフトの将棋は)人間同士とは別物なので、自分の中で消化するまで時間がかかる』とおっしゃっています。この『消化する』とは、どういった作業になるのでしょう?

「…………自分の感覚と、コンピューターの感覚の、どっちが正しいのかは、すぐにはわからないので。そのへんを……」

「今になって思うと、コンピューターの側も、行き過ぎていたところもあったと思いますし。自分も……人間も、一般的な常識がおかしかった部分があって。結局、その中間くらいのところに落ち着いた感じはあるんですけど」

「当時のソフトって、攻めが好きで。どんどん攻めていってて、人間はそれを『無理攻め』と評価していたと思うんですけど」