オーナーのアルビナの波乱万蒸な人生
ログハウスにはダイニングスペースが設けてあり、そこではサウナ後に薫り高い紅茶や絶品のロシア料理、ペリメニがいただける。
気の置けない仲間とゆっくりとバーニャに入りながら食事を楽しむ。
宗像という最高のロケーションとバーニャ。
ここにはサウナ体験をしに来る最高の価値がある。火災から恐るべきバイタリティで見事な復活を遂げたIZBA。オーナーのアルビナの人生はまさに波乱万蒸だった。
日本で娘と2人で暮らすように
「26年前、25歳のときに、娘と2人で福岡県の宗像に来ました。当時はロシアと日本の商品を輸出入する貿易の商売をやっていまして、その前から、日本には何回か来ていたんです。門司と博多にロシアの船が入っていたんですけど、宗像は両方の港から1時間程度のちょうど中間に位置していて、なにかと都合が良かった。
ロシアではハバロフスクという都会にずっと住んでたんですが、ロシア人は郊外にかわいい別荘を所有していて、夏は小さな畑に農作物を作って楽しんだりする人が多いんです。そんな感じで宗像は田舎で自然が多いし海もきれいで、落ち着くなって。そうこうしているうちに、そのまま日本で娘と2人で暮らすようになったんです」
アルビナが来日した90年代は、ベルリンの壁崩壊から始まった民主化の波が東欧諸国に広がっていき、ソビエト連邦もロシア共和国へと変貌した激動の時代。政治も市民生活も不安定な状況にあった。