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 朝日新聞は“高級な背広を着たプライド高めのおじさん”と例えた。朝日は「新聞は社会の木鐸である」という言葉をいまも信じて正義を追求している。その一方で「大朝日」のプライドも見え隠れし、それが鼻持ちならないと他紙や週刊誌の格好のツッコミ対象となる。擬人化するなら、高級な背広を着てハイヤーで取材に行き、社会正義を訴えるプライド高めのおじさん。

朝日新聞社公式サイトより

 もちろんこれはあくまで見立て遊びだ。そのあと実際に取材等で会った朝日記者たちは真面目でエラそうな人はいなかった。「おじさん」として見立てたが、そもそも女性記者も多い。でも社説とかの“大御所”からはなんだかエラそうなおじさんという雰囲気が漂うのである。

渦中の記者が「反論」を公開

 そして今回である。当事者の峯村記者が「朝日新聞社による不公正な処分についての見解」としてnoteに公開した。これを読んだらさらに興奮したのだ。

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《私は3月10日、A記者に電話をして、事実確認を徹底するように助言をしました。A記者からは「安倍氏に取材したのをどうして知っているのか」「ゲラをチェックするというのは編集権の侵害だ」などと強く反発されましたが、私も重大な誤報を回避する使命感をもって、粘り強く説得しました。》

「週刊ダイヤモンド」

 ほらほら、「助言」とか「説得」とか行間にいちいちときめく。この様子をダイヤモンド側から見るとこうなる。「威圧的な言動で社員に強い精神的ストレスをもたらした」(朝日新聞4月7日)。そりゃそうだ。

介入した理由は「誤報を防ぐため」

 あと峯村記者の文章で面白いのは《「ゲラをチェックするというのは編集権の侵害だ」などと強く反発されましたが》と普通に書いていることだ。自分で書いていておかしいと思わなかったのだろうか。安倍元首相の「顧問」という立場は、それだけ記者としての倫理的感覚を麻痺させてしまうものなのか。

 峯村記者は介入した理由を「誤報を防ぐため」と書いている。

《安倍氏から「先ほど週刊ダイヤモンドから取材を受けた。ニュークリアシェアリング(核兵器の共有)についてのインタビューを受けたのだが、酷い事実誤認に基づく質問があり、誤報になることを心配している」と相談を受けました。》

 だから自分が動いたのだと。