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「朝日嫌い」の人たちが峯村記者を擁護

 だからだろうか、面白い現象だと思うのはふだん朝日嫌いっぽい方の一部に峯村氏への同情が見受けられることだ。たとえば産経ニュースのアカウントがこの件を報道したところ、「峯村氏のnoteを読んだのか」的なリプライが散見された。

 これは非常に面白い。だって自分たちが嫌ってきた「エラそうな朝日」に対して全力の擁護になってしまっているからだ。

 今回の問題は朝日が好きか嫌いかで立場が異なる代物ではない。徹底して朝日新聞の問題でありジャーナリズムの話である。もし峯村氏の介入に理解を示すなら、今後も朝日はエラそうでよいということになり、社会正義を掲げていれば新聞記者の傲慢な振る舞いも認めるということである。それはおかしい。正義や良心の名の下に政治家の御用聞きのように立ち回る記者がいたという事実について、皆でもっと驚くべきだ。

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峯村健司記者の著書『十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争』(小学館)

安倍さん、大チャンス到来です

 朝日はこの件について徹底して検証して報道しなくてはいけない。なんなら峯村氏を紙面に登場させ、社内の記者たちと意見をたたかわせるべきだ。それが読者への説明だろう。2年前に文春のスクープで朝日と産経の記者が黒川東京高検検事長とマージャンしていた問題があった。私は賭けマージャンに参加していた記者の言い分も読みたかった。あのとき感じたことを拙著から抜粋する。

《実は文春の記事には「黒川氏は昔から、産経や朝日はもちろん、他メディアの記者ともしばしば賭けマージャンに興じてきた」という記述もあった。つまり、記者と取材対象(権力者)の近さ問題はそのまま「新聞論」になるはずだった。しかし朝日も産経も他紙も今回そこまで論じるものはなかった。重要なお題を読み逃したと思えて残念でならなかった。》(『お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした!』)

 あのとき徹底的に新聞論をやればよかったと思ったが、今回もそのチャンスである。

 あと安倍さんは何で黙っているのだろう。「顧問」を騙られているのですよ。今こそ憎き朝日に最大の攻撃ができます。朝日の記者が自分の顧問だといい加減なことを言っている、まさに“捏造”だと。安倍さん、大チャンス到来です。

 それともやはり便利なお友達なのだろうか。